約 3,642,972 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1119.html
注意書き 俺とゆっくりの話 と、ほんの少し関係がありますがたぶん知らなくても大丈夫だと思います。 バッジ設定があります、詳しい設定については「俺とゆっくりの話 1」を読んでください。 タイトルのとうり、人間はゆっくりを愛でてます、でも虐待成分もありますし、そっちがメインだと思っています。 そんなわけで飼われているゆっくりがいます。 また、多少人間虐めな部分もあります。 そして頻繁に視点が移り変わっています。たぶんかなり読みにくいとは思いますが許してください、ごめんなさい。 オリジナルキャラがいますが、名前はないので親子間でも「お母さん」「娘」などと呼び合っています。 「おかぁさん、れいむとちぇんはあした、ほかのひとにもらわれていくんだね?」 「そうだよ、きっとそのひともおにいさんみたいにやさしいひとだからゆっくりいうことをきいてね」 「わかるよー!ちゃんということきいてゆっくりするよー!!」 俺の飼っているゆっくり達が寝床として用意した小屋の中で会話しているのが聞こえた。 彼女(?)らの言う通り、明日子れいむと子ちぇんは近所に住む人の所にもらわれていく。 俺がゆっくり達と「れいむ一匹とちぇん一匹以外はみんなペットショップか他の人に引き取ってもらう」という約束をしたからだ。 今はれいむとちぇんを飼っている俺だが、その子供全員まで面倒を見る余裕がないことをれいむとちぇんは理解していたし、 生まれたばかりの赤ゆっくりも最初は泣き叫んだが、親の賢明な説得の結果、自分が貰われることを承諾し、それまでの間精一杯親とゆっくりしようとしている。 今までも何匹かの子ゆっくりが他の他人や友人に引き取られていった。前の飼い主や親ゆっくりに会うとホームシックみたいな症状が起きてしまうことがあるので、 様子を見に行くことはできなかったが飲み屋で会った友人宅のゆっくりはちゃんと彼のいうことを聞いているらしい。 当然だ、何のために自分が育てる予定のない赤ゆっくりにまでシルバーバッチを持たせたと思ってるんだ、飼い主がちゃんとしていれば悪いゆっくりに育つはずがない。 次の日、子れいむと子ちぇんは少し離れた所に住む女性とその娘に引き取られていった。 父親は仕事で帰りが遅く、女性もたまに夜遅くまで出かけて行くことがあるらしい。昼の間娘がさみしい思いをしないように…とゆっくりを飼おうとしたんだそうだ。 とりあえず娘が親ゆっくりや子ゆっくり達と遊んでる間に女性に簡単な買い方の説明をする。 飼い方といっても基本的な躾についてはたぶん問題ないだろうが、ゆっくりにあまり触れない人にとってゆっくりは未知の固まりだ、お勧めの飼育書の紹介して、 買って読んでくださいねと言った。女性も 「あら、そんな本があるのね…じゃあ帰りにでも買っていこうかしら?」 と言ってくれた。これで買ってくれないと困る、ゆっくりに限らずペットを飼うのは大変なのだから。 最期に二人は俺にお礼を言ってから家を出て行った。 夕日に照らされた少女の腕に抱かれて頭をなでられる子れいむの顔を見て、俺もこの人たちならきっとゆっくり育ててくれるだろうと思った。 あれ?あっちに本屋ってあったっけ? 妹のちぇんと一緒におねーさんに運ばれて15分ほど移動した。 お兄さんの家より大きい家に着くとおねーさんが「きょうからここがあなたたちの家よ、ゆっくりしていってね!」と言ってくれた。 「ありがとう!おねーさん!!おねーさん!!ゆっくりしていくね!!」 「きょうからここがおねーさんたちとちぇんたちのいえになるんだねー!!わかるよー!!」 「いやぁね、この子たちは、今日から私のことはお母さんって呼んでくれていいのよ?お姉さんなんて呼ばれたら逆にくすぐったいじゃない?」 おねーさんのおかーさんが笑いながら言った、自分たちのお母さんはれいむお母さんとちぇんお母さんだけど、この家でゆっくりする以上 お姉さんのお母さんはれいむたちにとってもお母さんなんだと思った。 「わかったよ!!きょうからよろしくね!!おかーさん!!」 「よろしくね、さて、今日はれいむちゃん達が来たお祝いをしなくちゃね、晩御飯の準備をするから娘と遊んで待っててね」 「ごはん!!わかるよ!!ゆっくりまってるよー!!」 「ゆっくりつくってね!!おねえさん、ゆっくりあそぼうね!!」 「うん!じゃあ付いて来て、私の部屋に案内してあげる!!」 お姉さんに連れられてお姉さんのお部屋にきた。 お姉さんはニッコリ笑いながられいむとちぇんの頭をなでてくれた。 「ゆ、ゆ、ゆ~っくり~」 「ゆっくりできるよ~わかるよ~」 「あはは、かわいい!!」 さいしょはお姉さんの話を聞いていたり、お歌を歌ってもらったりしていたのだが、お姉さんは途中からちぇんの尻尾を触り始めた。 「ゆゆっ!?」 「あはは、ふさふさして気持ちいい~!!」 「ゆゆゆゆ、や、やめてよ!ちょっといたいんだよ!わかってね!!」 「キャハハ、ほら、クリクリ~」 さらにそのままちぇんの尻尾と尻尾をこすり合わせて楽しんでいる 「い、いたいよー!!ゆっくりやめてね!!」 「おねえさん!!れいむのいもうとがいたがってるよ!!ゆっくりやめてね!!」 「えー?ふさふさして気持ちいいのに…じゃあれいむであそぶ!!」 「ゆっくりあそんでいってね!!」 あの後、ちぇんちゃんのしっぽに何度か触ろうとしたけど、れいむちゃんは怒って触らせてくれなかった、ふさふさしてて気持ちよかったのになぁ… 尻尾に触れなかったので、頬を突いたり、軽く転がしたりして遊んであげた、れいむちゃんも、ちぇんちゃんも笑ってくれたので、楽しかったみたい。 また尻尾に触りたいけど、ちぇんちゃんに嫌われるのは嫌だから触らないで上げよう。 「ちぇんの尻尾には触れないようにしましょう ちぇん種の尻尾は非常に敏感で、強く握ったりするとゆっくりに激痛が走ります、また若い個体れあれば少し触れただけでも強い刺激になるのでちぇん種を飼育する場合は注意してください」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 お姉さんといっぱい遊んでいるとお姉さんのお部屋の外からお母さんの「ごはんよ~、はやくおりてらっしゃ~い」という声が聞こえた。 お姉さんに抱っこされて、ちぇんと一緒にお台所に行く。テーブルの上にはたくさんのお料理が並べられていた、そのうちいくつかは 本当のお母さんやお兄さんと一緒に食べたことはあったけど、こんなにいっぱい並んだご飯は初めてだった。 「きょうはれいむちゃん達の来たお祝いにお母さん、たくさんご飯作っちゃったわ、いっぱい食べてね!!」 「いまれいむちゃん達の分もよそってあげるね!!」 テーブルの上に載せられ、前に置かれたお皿に盛られるたくさんのご飯、全部食べきれるかなと思ったけど、せっかくお母さんが作ってくれたんだから全部食べなきゃ。 「じゃあ、いただきます」 「いただきまーす!!」 「「ゆっくりいただきます!!!」」 いただきますの挨拶をして目の前のご飯を食べ始めた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~」 「おいしいんだね!わかるよー!!」 「あら、そう言ってくれるとお母さんも作ったかいがあったわ!!」 「とってもおいしいよ!!ゆっくりできるよ!!」 「おかあさん!おりがとうだよー!!!」 そんな話をしながられいむとちぇんはご飯を食べた、あまりの美味しさに気がついた時はまわりを汚しちゃってたけどお母さんは仕方ないと笑ってくれたし、 お姉さんはれいむとちぇんのお口を拭いてくれた。途中でおかあさんとお姉さんは難しいお話をしてた、何の話をしていたのかよくわからなかったけど、 お父さんという人は、今日帰ってくるのはとても遅くなるらしい、お姉さんのおとうさんなら、れいむたちのお父さん。今日のうちに挨拶したかったな… 「むーしゃ、むーしゃ、とってもしあわ…」 「もぐもぐたべるよー!!…」 ゆっくり、しかし激しく食事をするれいむとちぇん、しかしある料理を口にした瞬間、動きが止まり、白目をむいてガタガタと震え始めた。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ゆっぐりできない゛よ゛お゛ぉぉぉぉ!!!」 「ど、どうしたの?れいむちゃん、ちぇんちゃん!!」 「おがあざん!!このごはん゛は゛きら゛い!!ゆっぐりで゛き゛な゛い!!」 「ごめ゛ん゛ね゛!!でも゛こ゛れ゛だけ゛は゛の゛こ゛さ゛せ゛て゛ね゛!!」 「…だめよ、好き嫌いはいけないの、わかるわよね?」 「でも、でもぉ!!」 「ゆっくりできないよ!!!」 「嫌いなものでも食べないといけないわよ、ほら、半分にしてあげるからちゃんと全部食べなさい!!」 「お母さん…でもこの子たちの嫌がり方、すごいよ?」 「でもお母さんは好き嫌いは許さないわよ、あなたもピーマン、残さずに食べなさい。」 「はぁーい」 いま、お母さんは何て言った?「全部食べないといけない?」 そんな、あの食べ物は口に入れた瞬間、れいむの中身が熱くなっちゃうのに!?ゆっくりできないのに!? でも、お兄さんや、本当のお母さんは「ちゃんと、新しい飼い主の言うことを聞くんだよ」といった、だかられいむも、ちぇんもちゃんと食べなくちゃ、 お母さんのいうことを聞かないと 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「ゆ゛っく゛り゛でき゛な゛い゛ん゛だね゛!でも゛ち゛ぇん゛は゛ま゛け゛な゛い゛よ゛!!」 「がんばって食べるのよ!お母さん、応援するからね!!」 れいむちゃん達がいきなり叫び出した時、間違ってゆっくりにとって毒になるものでも入れたのかしらと不安になった。 でも確かにれいむちゃん達は「このごはんきらい」といった、そういえばゆっくりは雑食っていうし、人間が食べれるのにゆっくりが食べれないものなんてあるはずがないわよね? でも好き嫌いはいけないこと。私も母に嫌いな食べ物を残さず食べろと言われ、いくら泣いても食べ終わるまで許してくれなかったことが何度かある。 結局私はなんでも食べれるようになったから、母には感謝してる。れいむちゃん達も、きっといつか私に感謝してくれるはずだ。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 「ゆ゛っく゛り゛でき゛な゛い゛ん゛だね゛!でも゛ち゛ぇん゛は゛ま゛け゛な゛い゛よ゛!!」 「がんばって食べるのよ!お母さん、応援するからね!!」 正直、ゆっくりが嫌いな食べ物というだけでここまで叫ぶとは思えなかった、きっとあの飼い主さんが甘やかしすぎたのね。 「ゆっくりに辛いものは厳禁!! 基本的に人間が食べるものはなんでも食べれるほど雑食性の強いゆっくりですが、唯一辛いものだけは食べさせてはいけません。 辛いものは餡子でできたゆっくりの体にとって猛毒であり、子供のゆっくりならほんの少しのハバネロで即死することすらあります。 また、香辛料なども種類によっては毒となることもあるので、ゆっくりにご飯を上げるときは注意してあげてください。」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 なんとかご飯を食べ終えたれいむとちぇんは母親に言われ、娘と一緒にお風呂に入ることになった。 「おねぇさん!れいむをゆっくりお風呂に入れてね!!」 「おふろだねー!わかるよー!!」 この気楽な饅頭についさっきまで毒を食わされてたんだぞ、と突っ込んではいけない。彼ら自身も辛いものが毒だということが分かっていないため、好き嫌いを直そうと自ら積極的に毒を食ったのだ。 れいむとちぇんはおねえさんといっしょにお風呂に入った。 人間って不思議、れいむも、ちぇんも、ゆっくりはあまり変わらないのに、人間は結構違う。 前に一緒にお風呂に入ったお兄さんにあったぶらぶらしたものが、お姉さんには見当たらない。 お姉さんがちぇんの頭を洗ってあげるのを見ている、れいむはそんな事を考えていた。 「はい、これでおしまい!!」 「すっきりさっぱりしたよー!!わかるよー!!」 そんなどうでもいいことを考えているうちにお姉さんがちぇんの頭を洗い終わったようだった。 「じゃ、お風呂にはいろっか」 「ゆっくりぃ~」 「わがるよぉ~」 「あはは、なにそれ、おじさんみたい!!」 れいむとちぇんにはお風呂は大きかったけど、お姉さんが用意してくれた桶の中に入るからゆっくり沈んだりしないよ! 「「ゆ~ゆゆゆ~ゆ~♪」」 れいむちゃんとちぇんちゃんが気持ち良さそうに歌を歌っていた。どこか音程のずれた、おかしな歌だったけど、それが逆に聞いてて楽しくなる、そんな感じがした。 「ゆっ!そろそろれいむたちはおふろからあがりたいよ!!」 「おねえさん!ゆっくりだしてねー!!」 歌を一曲歌い終わったと思ったらすぐにお風呂から上がりたいと言ってきた、まだ3分ぐらいしか経っていない、私はもっと入りたいのに。 「え~?私ももっと入りたいよ?それにすぐに上がっちゃうと湯冷めしちゃうよ?」 「ゆざめ?なにそれ?」 「もしかしてゆっくりできないの?」 「うん、とてもゆっくりできないよ」 「じゃあ、ゆっくりがまんするよ…」 「でも…このままお風呂に入っていてもゆっくりできなくなっちゃうよ、わからないよー…」 ほんと、ゆっくりってわからない、お風呂が大好きですみたいな事をさっきも言っていたのに、本当はお風呂、嫌いなのかな? このままお風呂に入っているとゆっくりできない、それはたしか本当のお母さんに最初に教えてもらったこと。 でも、すぐにお風呂からでると「YUZAME」になってゆっくりできなくなるってお姉さんは言った。 じゃあれいむもちぇんも、どっちにしろゆっくりできないの?どうすればいいの? 「お、おかあさーん!!」 「どうしたの!?何があったの!?」 「れいむちゃんとちぇんちゃんが溶けちゃったぁ!!」 娘がタオルも巻かずに飛び出してきたときはどうしようかと思った。だが、娘の持ってきた洗面器の中には黒い水が入っていてぶよぶよとした気味の悪いものが浮いている。 「おかぁ…さん…たすけてねー…」 「ゆっくり…したけっかが…」 私は急いで洗面器から二匹を取り出した。 「ゆっくりと水について ゆっくりは基本的にきれい好きな動物のため、子育て期などの特別な場合を除き、頻繁に水浴びをします。 飼いゆっくりの場合も少なくても三日に一度はお風呂に入れてあげましょう。別に毎日でもかまいません。 ですが注意点がいくつかあります。ゆっくりの皮は比較的軟らかいため、少し力が入っただけでもすぐ破けてしまいます。体や頭を洗ってあげるときでもできるだけ力を込めず、 手で表面を軽くこするように洗ってあげましょう。 次は入浴時間です。一般にはあまり知られていないことですが、ゆっくりは長時間水につかっていると皮が溶け、餡子が漏れ出してしまいます。 水の場合で約五分、お湯の場合で三分以上は濡らさないで上げてください。 もし、餡子が溶け出てしまった場合、すぐ自ら上げて体をタオルなどで優しく拭いてあげましょう。しばらく待って餡子の流出が止まらないようであれば重症です、ゆっクリニックに行きましょう。」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 れいむとちぇんが飼われてから、三か月ほどたった。 結局れいむもちぇんも、たまに尻尾をいじられ、頻繁に出される辛い物を「すききらいはいけない」と、泣きながら食べた。 お風呂でふやけた時は症状が軽くて助かったが、あれ以降お風呂は一分ぐらいしか入れてもらえなくなった。 毎日毒を食う生活だった、だけど、れいむもちぇんも自分は幸せなんだと信じていた。 昔、本当の母親に言われた一言「飼い主さんのいうことをちゃんと聞いたらきっとゆっくりできるよ!」その言葉をずっと信じて居たため、 二匹は他の飼いゆっくりには見られない位に飼い主に従順なゆっくりになっていた。 通常、野生のゆっくりは4か月ほどで亜成体となり独り立ちする、辛いもの以外は栄養豊富な食べ物をたらふく食べたこの二匹はもう、成体のゆっくりとほとんど変わらない大きさをしていた。 そして人間でいえば思春期のゆっくりが二匹、同じところで生活している。そうすればどうなるか、答えは明確だった。 もうすっかり夜になった。 おかあさんも、おねえさんも、おとうさんもたぶん寝ているぐらいの夜。 自分もちぇんも多分こんな遅くまで起きた事はないと思う。でもなぜか、今日はれいむもちぇんも寝るに寝られなかった。 「おねえちゃん…」 「なぁに、ちぇん、ゆっくりはなしてね」 「ちぇん、なんだかおねえちゃんといっしょにいるとなんだかうずうずむずむずするんだよ…」 「じつはれいむもなんだよ…」 「れいむおねえちゃん…」 「ちぇん…」 お互い見つめあう二人、少しずつ近づいて行き、触れ合う肌 「んほっ!?」 「に゛ゃっ!?」 その瞬間、二匹に電流が走った 「な、なに、いまのは!?」 「わ、わからないよー!!」 生物的に成熟し始め、早すぎるすっきりで朽ちてしまうゆっくりが現れ始めるこの時期、野生なら親に、飼いなら飼い主に性教育を受ける頃だ。 だが、親にも飼い主にも性教育を受けていない二匹には何が起こったのかわからない、ただ、未知の刺激を感じた二匹の心は新しいおもちゃを見つけたような興奮を感じていた。 「わ、わからないけど…もういちどやってみるよ…」 「わかったよー、ゆっくりやってね…」 二匹が本能的に交尾を開始するまでにそんな長い時間はかからなかった。 今日も私はいつものように6時に起きた。ちぇんちゃんとれいむちゃんを飼うようになってから、朝起きるのが少し早くなった。毎朝朝ごはんの前にれいむちゃん達と遊ぶのがとても楽しい。 居間に降りてみるとれいむちゃんの姿が見えなかった、ちぇんちゃんが古新聞を居間の隅に積み重ねているのを見つける。 「おはよう、ちぇんちゃん」 「ゆっ、おはようなんだね、わかるよー!!」 「それで…何してるの?」 「お、おねがいするよ!!それをどかさないでね!!」 「だめだよ、ゴミを散らかすとお母さんに怒られちゃうよ?」 「わからないよぉー!!」 遂に泣き叫んでしまうちぇんちゃん、でも散らかったのをこのままにしておけないし…私はちぇんちゃんにごめんね、と言ってから積み重なった新聞紙の上の方をどかした。 「ゆゆっ、おねえさん、おはよう!!でもゆっくりしんぶんさんをもどしてね!!!」 新聞紙の山の中にはれいむちゃんがいてこっちを向いて挨拶をしてきた、でも、その頭には植物の茎のようなものが生えていて、それには8個くらい、ちゃっちゃいゆっくりが付いていた。 「…」 「ゆっ」 「お…おかぁさーん!!大変!れいむちゃんが!!」 「ゆっくりの性欲について ゆっくりはそのほのぼのした外見、生活からは想像しにくいですが性欲の旺盛な生物です。 ですが、若いゆっくりは交尾をすると疲労や子供に栄養を取られ死んでいしまうことがあるので対策をしっかり行いましょう。 生まれてから五か月~半年ぐらいでゆっくりは性欲を感じ始めるのでその前からゆっくりに性教育をしてあげてください。 内容はお互いが激しく体をこすり合わせることがすっきりであること、すっきりすると子供ができることがあること、若い時にすっきりしてしまうと死んでしまうことがあること、 この三つで十分です。ゆっくりは性に関することは割合速く覚えるため教育にあまり苦労はしないでしょう、成体のゆっくりと一緒に飼育しているならその個体に教育してもらうのも一つの手です。 また、性欲が解消されないとゆっくりは自慰行為に依存したり自傷行動を行ってしまうこともあるので、繁殖させる予定がない時は何らかの対策を立てる必要があります。 プロのブリーダーは定期的にゆっくりをすっきりさせてあげることがありますが、とても難しい方法なので去勢手術、避妊手術を行うことをお勧めします。」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 娘の悲鳴で起こされたその日以来、なぜかれいむちゃんは新聞紙の山の中に隠れるようになり、ちぇんちゃんはれいむちゃんに新聞紙をかぶせ、その前に立つようになった。 今までこんなことはしなかったのにどうしたのかしら? さすがにゴミを散らかされると困るし、たまには日光浴もしないとれいむちゃんにも、あかちゃんにも悪いわよね? 「ゆっくりやめてね!!おかあさん、はなして!!かたづけないでね!!」 「だめじゃない、れいむちゃん、古新聞を散らかしちゃ?」 「でもそれがないとゆっくりできないよぉ…」 でも、言った時は新聞紙から出てくるけどまたすぐに新聞紙を散らかして二匹は中にもぐりこんでしまう、何度言ってもその時はいうことを聞くのに、何時間かたったらまた何かをちらかしてその中にもぐりこんじゃう。 そして新聞紙かられいむちゃんを取り出すと大声で泣き始めちゃう。 ちぇんちゃんが泣きながらないてるれいむちゃんに紙くずをかぶせてたけど何を考えているのかしら? れいむがにんっしんしてから何日かがたった。 ここ何日かずっと怒られてばっかりだ、もちろん悪いのはれいむたち、それは分かっているのに…頭に赤ちゃんができてからなぜか広いお家が怖くなってきた。 れいむはとにかく狭い所に入りたくて新聞紙という紙を散らかしちゃう。 お母さんやお父さんに怒られたから悪いことだということは分かっているのに…わかっているのに新聞紙の中に入りたくて、ちぇんにれいむを隠すようにお願いしちゃう。 ちぇんも悪いことだとわかっているのにれいむを隠すのを止められない。れいむたちは悪いゆっくりなのかな? なんで悪いことを止められないんだろう?今も夜でれいむとちぇん以外が部屋に居ない事をいいことにちぇんに新聞紙をかぶせてもらっている。 悪いことなのに、怒られるのに、それがわかっていて泣いてるのに。気がついたら新聞紙に隠れようとしている。 新聞紙や、周りのいろんなものをちぇんが集めている時、隣の部屋からお父さんの声がした。 「まったく、だから躾けられないならゆっくりなんか飼うなと言っただろう!!」 隣の部屋からお父さんの声が聞こえた。 「そんなこと言ったって、最初に飼いたいって言ったのはあの娘なのよ!あなただって飼って良いって言ったじゃない!?」 「それはお前が自分も躾を手伝うからと言ったからじゃないか!!あいつら、昨日は俺の仕事の書類まで新聞紙に混ぜて潜ってたんだぞ!!」 ごめんなさい、お父さん。ごめんなさい、ちぇんもなんでそうしちゃうかわからないんだよ!!でも今口にくわえているのはお父さんのお仕事の紙? あああ、悪いことなのに、悪いことなのに…この紙はここに置こうね、お姉ちゃん…わからないよ… 「まったく、だから軽い気持ちで生き物を飼うなと言ったのに…あいつらの子供が全部埋まれたらどうする気なんだ!?全部面倒を見る余裕は家には無いのは分かっているだろう!!」 「なによ!!自分はまったく関わろうとしない癖に悪いことがあったら全部私のせいにするの!?」 「そうは言っていないだろう!!」 ああ、なんでちぇんもれいむおねえちゃんもこんな怒られるようなことをしているんだろう、ゆっくりできないよ… はじめてお父さんに挨拶したときは笑顔で「娘と遊んでやってくれ」って言ってくれたのに…いまのちぇんたちはおねえちゃんとまったく遊んでいないよ…。 いつからだろう、こんなにゆっくりできなくなったのは、れいむおねえちゃんを隠したくなったのは… そうだ、わかる、わかるよ。こいつだ、れいむおねえちゃんにはえてるこいつらがでてきてからちぇんも、れいむおねえちゃんも、おねえちゃんも、おかあさんも、おとうさんもゆっくりできなくなったんだね。 わかる、わかるよ~、こいつらがいたから、ゆっくりできないんだね!!いまわかったよ!! その時、れいむから生えてた茎、それについていた実の一つが震えて地面に落ちた。 「ゆっ、ゆっくりちていっちぇね!!」 とっても純粋な笑顔で、虐待お兄さんが思わずつぶしたくなるような、ゆっくりから見れば天使のようにゆっくりした笑顔で赤れいむがそう言った時、ちぇんの中で何かが弾けた。 「ゆっくりしんでね!!ちぇんはゆっくりしたいんだよ!!」 ああ、今までゆっくりできなかったけど、ついにれいむとちぇんの赤ちゃんが生まれた、とってもゆっくりした赤ちゃん、天使のような笑顔で 「ゆっ、ゆっくりちていっちぇね!!」 とれいむにゆっくり言ってくれた。 「ゆっくりしんでね!!ちぇんはゆっくりしたいんだよ!!」 何が起こったのかわからなかった、目の前にはちぇん、その足元には丸く広がる何か…もしかして、ちぇんが赤ちゃんを? 「どお゛じでごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛ぉぉぉぉ!!!!」 「こいつらがいるからちぇんも、おねえちゃんも、みんなみんなゆっくりできないんだよ!!おねえちゃんはわかるよねー!!」 そうだ、れいむのあかちゃんが、あたまからでてきたとき、それかられいむはゆっくりせまいところにいきたくなってとまらなくなって、それでみんなにおこられるおうになって、ゆっくりできなくなったんだ。 じゃあこいつらがいなくなればれいむたちはゆっくりできる、このおうちにはじめてきたときみたいに、みんなでゆっくりするんだ!! 「ゆっくりおちろおぉー!!」 あたまをおもいっきりゆらしてあたまにはえたごみどもをかべにたたきつける、なんひきかは「ぶびゅ」とかいってつぶれた、ゆらしたことでうまれはじめたやつもいたけど、 そいつらはちぇんがかたずけてくれる。 「どうした、何があったんだ!!」 物音に気づいた父親と母親が隣の部屋から入ってきた。 彼らが見たのはまさに地獄絵図だった、あたり一面餡子で覆われ、れいむとちぇんが自分の子供を手当たり次第に叩き潰している。 「な、何をやっているの!?」 「ごみどもをつぶしてるんだよ!おかあさん、わかるよねー!!」 「よごしてごめんねおかあさん!!おとおさん!!あとでゆっくりあやまるからいまはだまってゆっくりみててね!!こいつらがいなくなればみんなゆっくりできるからね!!」 「れいむ!ちぇん!おまえたちは自分が何をやっているのかわかっているのか!?じぶんの子供を殺しているんだぞ!!」 父親が悲痛な叫びをあげた。 「なぁに、おとうさん、なにかあったの…?」 そして、娘が眠そうに目をこすりながら部屋に入ってくる。 「まっててね、おねえちゃん、こいつがさいごだよ!!」 「こいつをやればゆっくりできる!!わかる、わかるよー!!」 れいむとちぇんは最後の一匹の両頬を加え、思いっきり引っ張った。 「お、おかあちぁん、ゆっちゅり、ゆっちゅ、ゆぶべべっぇっっ!!!」 「「ゆっくりしねぇ!!」」 「ゆびゅ!!」 鈍い音を立てて最後の赤ちゃんが真っ二つになった。 「やった、やったよ、おねえちゃん、これでいっしょにゆっくりできるね」 「おとうさん、おかあさん、もうちぇんたちはおこられることはしないよ、ずっといっしょできるよ、わかるよ…」 れいむとちぇんが帰り餡子まみれのまま、光のない眼で娘に近づいてきた。 「い、いやあぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!」 深夜の人里に少女の甲高い悲鳴が木霊した。 「ゆっくりは本来、木の根元の空洞等に巣を作って生活する動物です、それは飼いゆっくりでも変わらず、ゆっくりだけの安全な空間を欲します。 巣への依存度はあまり高くはありませんが、それでも多少のストレスを感じることがあるので出来るだけ巣となる小屋などを用意してあげてください。 お金に余裕がなければ段ボールなどを使うのも一つの手です、とにかくゆっくり以外が入れない狭い空間を作ってください。 巣の掃除ですが、ゆっくりは基本的にはきれい好きなので特に必要ありません。ただ、異臭がするなどの異常がある場合は掃除をする必要があります。その時はゆっくりと一緒に掃除をしましょう。 成体のゆっくり、特ににんっしん中のゆっくりは非常に怖がりになるため巣に引きこもりがちになります。この時期のゆっくりは非常にストレスに敏感なので、 むやみに巣から出したりしないでたまに入口をのぞいてあげるぐらいにしてください。ご飯もこのときは入口の近くに置いてあげれば自分で食べてくれます。 ゆっくりが心の底から飼い主を信頼している場合はにんっしん中でも巣の中にいるより飼い主のそばにいることを望みますがそこまでなついてくれなかった時も無理やり可愛がろうとはせずに、 ゆっくりが自分から出てくるのを待ってください。この時期飼い主が巣を荒らしたり、子供が巣の外から丸見えなところに移動させたりすると強いストレスがかかり、最悪精神崩壊を起こして自分の子供を殺してしまうことすらあります」 民明書房 ゆっくりの飼い方 第4版より抜粋 「こんな野蛮な生き物、今すぐ引き取ってください!!」 まったく、いきなりこれかよ?朝早くドアノックの音で起こされた俺は家の前にすごい剣幕のあの女性がいるのを見たとき、なにかあるなと思いゆっくり達に隣の部屋で静かにするように言った。 「こんな自分の子供を殺すような生き物…!!おかげで娘は部屋に引きこもっちゃったのよ!!」 女性は両手に虐待用透明な箱(防音)を俺に押し付けてきた。中のれいむもちぇんも何かを叫んでいるが声は聞こえない、ただ、涙をながしながら女性に何かを訴えていた。 「ゆっくりして、ゆっくりしようよ!!」 「なんでちぇんをすてちゃうの?わからない、わからないよ!!」 おれにゆっくりを押しつけてすぐ帰ろうとする女性を捕まえてなんとか何が起こったのか聞き出す。 ふざけるな、妊娠中の動物はストレスに敏感なんだ、それを何度も引っ張り出した…? 俺の腕を振り切ろうとする女性に俺はどうしても聞きたかった事を聞いた。 「なんで飼育書を飼わなかったんです!?そうすりゃこいつらだって自分の子供を殺すようなことは…」 「あなたが本をくれなかったのが悪いのよ!!こんなに手のかかる生き物だと知っていたらゆっくり何て飼おうとは思わなかったのに!!」 俺はそれを聞いて唖然とした、俺は確かゆっくりを上げるとき、飼育書を飼ってくださいと言った。なのに俺があげないから悪いとは? なんというか、俺より年上の人が、DQNというか、ゆとりというか、にんげんゆっくりというか…そしてそれを見抜けなかった自分が、何より情けなく思った。 俺は、こいつらをどうすればいいんだ?こいつらをここまで追い詰めてしまったのは、あんな飼い主に渡してしまった俺の責任だ。 こいつらはもうまともなゆっくりとしての生活は送れない、人間に媚びて諂い、そのためになら子供まで容赦なく殺してしまうようになってしまった。 でも、自分には何の罪もない、少なくとも、自分のせいで子供殺しという罪を犯してしまったこいつらを処分してしまうなんてできない。 家で飼うにも、今のこいつらは子ゆっくりをゆっくりできなくする存在として殺してしまう。最悪、兄弟や実の親であってもだ。 俺は、どうしたらいいんだ?? あとがき ちゃんとした知識もなく、動物を飼った結果起こった悲劇…みたいなものを書いてみました。 何度もあきらめようとして、そしたらアイデアが浮かんで、途中でアイデアが浮かばなくなって…そしたらアイデアが… というループを繰り返した結果、SSの視点が飼い主のお兄さん、れいむ、ちぇん、娘、母親、完全な第三者ところころ変わるという非常に読みにくいものになってしまいました。 なんとか文の書き方や中身で誰の視点か分かりやすくはしたつもりでしたが…ごめんなさい、わからないならそれは自分の力不足です。 この話、実話をモデルにしています。 四分の一は自分がハムスターを飼っていた時のこと。 四分の三は兄の持っていた動物関連の本に乗っていたある獣医の体験談です。 現実にも犬に葱食わせて殺しかけた、赤ちゃんを不用意に近づけてかみ殺された。 猫にマグロの刺身食わせて殺しかけた。 ハムスターを同じところに集めた結果共食いが起きたなどの「飼い主が少し知識を集める」ことで防げたはずの悲劇が起きてます。 皆さんも動物を飼うときは気を付けてくださいね 9月10日 2209 セイン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2309.html
お風呂。 それは私にとって最高の甘露の一つである。 週一回開店時間に銭湯に行き一番風呂に入るのが私のライフワークなのだ。 番台にお金を払いちゃっちゃと脱衣所にいく。 案の定誰かがいた形跡はない。 相変わらず人気の無い銭湯だ、よく営業できるものである。 さて今日も至福の一番風呂を浴びよう。 「ゆっくりしていってね!」 「「「「「「ゆっきゅりしちぇっちぇにぇ!!」」」」」」 …先客がいたらしい。 どこから入ってきたのかゆっくりの家族が元気よく挨拶をしていた。 親はまりさ種だが子はまりさ種とありす種が混ざっている。 子供だけつれて片親は巣にいるって事も無いだろうし今流行のシングルマザーって奴だろうか。 「ここはまりさたちのゆっくりぷれいすだよ!でもとくべつにおにいさんもゆっくりしていいよ!まりさたちだけじゃひろすぎるからとくべつにいれてあげるんだよ!かんしゃしてね!」 ビキリ。 私の中の怒りゲージが一つ上昇したが我慢我慢。 さてどうするか、番台に報告するべきか。 しかしこの格好のままじゃあなあ…。 そんなことを考えていると子ありすの一匹が私に話しかけてきた。 「おにいしゃんはゆっきゅりできりゅひと?」 「あー、まあな。」 内心の怒りを抑えつつ適当に受け答えする。 しかし子ゆっくりって結構かわいいな。 大人になってあんなにかわいげの無い事にならなければ飼いたいかもしれない。 しかしまだ舌ったらずなあたりまだ相当小さいのだろうに、巣の外に出てもいいのだろうか。 まあ暴れたり襲い掛かってきたりする様子はないし帰りまでは放っておこう、見てると結構面白そうだし。 何かを壊し始めたらその時言いに行けばいい。 別に私に責任があるわけじゃない、店主の監督不行き届きなんだから。 てなわけでゆっくりのどうでもいい滞在許可も出ていたし私は無視して体を洗い始める。 「ゆ!かべしゃんとっちぇもしゅべしゅべだよ!しゅーりしゅーり!」 「ほんちょだにぇ!とっちぇもゆっきゅりできりゅよ!」 子ゆっくり達は壁のタイルにお熱なご様子。 私はそれを眺めつつボディソープを泡立てる。 そうしていると子ありすの一匹、さっき私に話しかけてきた奴がこっちに近寄ってきた。 「ゆ?おにいしゃん、そのあわあわにゃあに?とっちぇもときゃいはね!」 「…。」 無視して私は体を洗い始める。 先ずは足から洗い始め次に背中を、と思ったとき足にやわらかい感触を感じる。 「ゆ~、おにいしゃんのおあししゃんしゅべしゅべ~。あわあわさんもとっちぇもゆっきゅりしちぇるよ~。」 子ありすは私の足に頬ずりしていた。 くすぐったいなあまったく。 そう感じながらも踏みつけたりしないように気をつけながら自分の体を洗っていく。 「ぱしゃぱしゃ~♪」 「あっちゃかいおみじゅしゃんとっちぇもゆっきゅりしちぇるよ~♪」 向こうでは桶に入ったお湯に子ゆっくり達が浸かっていた。 どうやって入れたのかと思っていると親ゆっくりが器用に水栓を回してお湯を出していた。 たまたまお湯の温度もちょうど良かったようだ。 そんな光景を眺めつつ私が全身を洗い終えお湯で流そうとした時事件は起きた。 「ゆびいいいいいいいい!!!!いじゃあああいいいいいいいい!!!!ありしゅのおめめがああああああ!!!!!!」 足元の赤ありすが大声で泣き始めた。 どうやら泡が目に入ったらしい。 お湯で流してやろうと手を伸ばすと親まりさがこっちに跳ねてきた。 「ゆ!おちびちゃんにさわらないでね!やっぱりゆっくりできないおにいさんだったんだね!」 そういいながら暴れまわる子ありすと私の間に割り込む。 子ゆっくりならともかくこいつに言われるとむかつくなあ…。 「おちびちゃんしっかりしてね!ほらぺーろぺー…にがいいいいいいい!!!!」 泡のついた子ゆっくりの体を舐めた親ゆっくりが絶叫を上げる。 そりゃボディソープは苦かろう。 親ゆっくりがぺっぺと泡を吐き出しているうちに桶のお湯で子ありすを洗ってやる。 そしてタオルで水分をふき取ると子ありすは泣きやんだ。 「ゆ?いちゃくにゃくにゃってきちゃわ!」 そうしてまだ口からつばを吐き出し続ける親まりさのところに返してやった。 「ぺっぺ!ゆ!?おちびちゃん!おめめはだいじょうぶ!?」 「だいじょうぶよ!おにいしゃんにたしゅけちぇもらっちゃわ!」 そんな微笑ましい光景を無視してシャワーで自分の体の泡を落としつつ髪を濡らしていく。 次はシャンプーだ、今度は子ありすにつかないように注意しなければ。 私がシャンプーで頭を洗い始めると子ゆっくり達が遊んでいた方向からシャワーの音が聞こえ始めた 「ゆびょええええええええええ!!!!!!」 「おみじゅしゃん、ゆっくちちないでとまっちぇえええええ!!!!!」 見れば二匹の子ゆっくり達にシャワーの水が直撃していた。 親の真似をして操作したのだが蛇口ではなくシャワーの方を回してしまったらしい。 「まりさのおちびじゃんがああああああああああ!!!!!!」 「おねえじゃああああああああああん!!!!」 私の足元で乳繰り合っていた親子が向こうへ跳ねていく。 親まりさが自らの危険も省みずに降りしきるシャワーの雨の中から子ゆっくりたちを救い出した。 「おちびちゃん!しっかりしてね!」 「もっちょ…ゆっきゅり…しちゃ…。」 「ゆ…。」 しかし時すでに遅く、二匹の餡子はドロドロになり絶命した。 「おちびじゃああああああああん!!!!!」 「おねえじゃああああああああん!!!!」 あーあと思いつつシャンプーを流し、リンスをつけさらに流す。 私が髪を洗い終えてもまだ親まりさと子ありすは泣いていた。 他の子ゆっくり達も泣いているのだろう声が聞こえている。 近くを通る私にも親まりさと子ありすは気づいていない。 ありゃ?他の子ゆっくり達は? そう思っていると桶から声が聞こえる。 「ゆびょああああああああ!まりちゃのかりゃだがとけるううううう!!!!」 「ありしゅのあんこしゃん!ゆっきゅりしにゃいでとまっちぇええええええええ!!!!」 「おきゃああしゃああああああああああああん!!!!どぼじでたしゅけてきゅれにゃいのおおおおおおおお!!!!」 どうやら桶に入りっぱなしだったらしくお湯の中で騒いでいる。 出しっぱなしのシャワーと親まりさ達の声のせいで聞こえなかったが先ほどから叫び声を上げていたようだ。 すでに三匹の子ゆっくり達は全身の皮に穴が開き至る所から餡子が融け出していた。 私はあわててシャワーを止め子ゆっくり達を摘み出した。 体をタオルで拭いてやろうとして思いとどまる。 すでに致命傷だ、タオルが汚れるだけなので無駄なことは止めておく。 「ゆぐっゆっぐ…、ゆ?…おぢびじゃあああああああああん!!!!!」 「ゆべええええええええ!!!!ありずのいもうちょぎゃあああああああああ!!!!!」 泣いていた親まりさと子ありすもようやく気がついたらしく私が引き上げた子ゆっくり達に跳ね寄る。 「しっかりじでええええええええ!!!!!」 「…っ…。」 「も…ゆ…。」 「ぐび…。」 しかしすぐに断末魔すらろくに上げず三匹も絶命した。 「ゆぎゃあああああああああああ!!!!!」 「ゆああああああああ!!!!」 親まりさと子ありすは再び絶叫した。 そうしてしばらく泣いている二匹を眺めていると唐突に親まりさがこちらを向いた。 「おにいざんがだずげながっだがらだああああああああああ!!!!ゆっぐりでぎないおにいざんはじねええええええ!!!!」 「はあ!?」 突然親まりさは私を罵ってきた。 さらに続けて死ねだの何だの暴言を繰り返す。 僅かにあった同情の気持ちも一瞬で消し飛んだ。 まりさは自分の子供の大半を失った直後で八つ当たりの一つもしたい気分なのだろう。 しかしそれを汲み取ってやれるほど今の私の機嫌は良くなかったしこのまりさに良い印象も持っていなかった。 私の楽しいバスタイムが邪魔されてイライラしていたところにこれだ。 いい加減私の短い堪忍袋は限界だった。 先に言っておくが私は多少悪口を言われたくらいでゆっくりごときにイラついたりはしない。 しかし今の私は相当不機嫌だった。 なぜなら、 「私は、」 こいつらが私の言われたくない事を連呼していたからだ。 「おねえさんだああああああああああ!!!」 「ゆびぼっ!!!!!?」 そう言ってまりさを蹴り飛ばす。 私は男に間違われるのが大嫌いなのだ。 「確かにわたしゃ胸はないし運動系の部活に入っているから結構肩幅あるし髪も切ってるよ!兄貴の服着てたら逆ナンにあったりもしたよ!だけどな!裸の時くらいちゃんと女って認識しろよてめえらよ!おい!聞いてんのかこら!」 「ゆ…ゆべ…。」 少し罵倒して蹴られて苦しがってる親まりさを見たら気持ちも落ち着いた。 もう何もしてこないだろうし放っておこう。 そう思いゆっくりに背を向けて湯船に歩いていく。 すると足元に衝撃が走る。 「ゆっぐりじねえええええええええ!!!!」 「うおわ!?」 足に親まりさが体当たりを仕掛けてきたのだ。 濡れた床のせいで踏みとどまることが出来ずたまらずぶっ倒れる。 「ゆぎがばぁ!!!!!!」 尻で何か柔らかい物を踏み潰した感触。 そのせいでうまく受身を取れず背中を打った。 「いってえ!何しやが…あ?」 振り向くとそこには飛び散る餡子、そして甘い香り。 そして私の尻の下でつぶれた親まりさだったもの。 親まりさはシャワーに突撃した際多くの水をかぶり皮が柔らかくなっていた。 その上で私の全体重が乗ったヒッププレスを受けたため見事に潰れてしまった。 「あ…えっと…。」 「ゆびああああああ!!!!!おきゃあああああしゃあああああああああんん!!!!」 浴場には子ありすの悲鳴だけが轟いていた。 結局私は体についた餡子を落とした後番台を呼んだ。 責任の追及はしないが清掃もあるため今日は帰ってくれとのことだ。 結局一番風呂には入りそこなった、まあ最初に番台を呼ばなかった私の自業自得だが。 私は邪魔だから好きに処分してくれと渡された子ありすを持って家へ帰った。 この子ありすをどうするか考えていた時仕事の関係で別居している兄貴がペットであるぱちゅりーの遊び相手が欲しいと言っていたのを思い出した。 事の経緯を説明すると渋い顔をしていたが実物を見て考え直したらしい。 この子ありす、ショックのせいか記憶を失っていたのだ。 ゆっくりは都合の悪い記憶を失う事が多いのだがこの子ありすは特にそれが顕著だった。 結局子ありすは兄貴にもらわれていくことになった。 後日また新しいゆっくりを買ったらしい兄貴にありすはどうしているのか尋ねてみた。 「蛙の子は蛙。」 なんのこっちゃ。 ──────────────────────────────── たぃちょさんからのお題で「お風呂」から書かせていただきました。 何か間違った気がしないでもない。 by デストラクション小杉
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1898.html
ゆっくり実験・まりさ解体 やあ。僕は人里に住む普通のお兄さん。 最近、僕のまわりの連中が、ゆっくりゆっくりとうるさいので、僕もゆっくりに興味を持った。 ちょっと実験してみることにした。 「ゆっくりしていってね!!! ゆっくりしていってね!!!」 テーブルの上で叫んでいるのは、金髪で黒帽子のゆっくり。 ゆっくりまりさというやつだろう。 大きさは逆さにした洗面器ぐらい。 森の奥のほうで見つけて、お菓子をエサに交渉した。 独身(っていうの?)だったせいか、簡単に箱に入ってくれた。 うちに連れてきてから、約束どおりお菓子をやって布団で寝かせたため、元気まんまんだ。 今日は三日目。すっかりなついてくれたので、そろそろ実験することにする。 僕はテーブルの前に立って、まりさを見下ろした。 「ゆっくりしていってね!!!」 さっきまで毛づくろいをしてやっていたので、とても上機嫌だ。 リズミカルにゆらゆらと体を左右に揺らし、それにあわせて歌うようにあいさつしている。 「ゆっくり! ゆっくりしていってね!!!」 「うん、ゆっくりしているよ。まりさもゆっくりしてる?」 「ゆっくり、ゆっくり!」 勝ち誇った顔でぴょん、ぴょんと軽く跳ねた。 ああ、ほんとにゆっくりという言葉が好きなんだなあ。 無邪気でかわいらしいけれど……無防備すぎる気もするなあ。 こんな生き物を今から**してしまうなんて、なんだか悪い気がする……いや、実際悪いことなんだな。 でもまあ、誰も止める人はいないから……やってしまうか。 「まりさ、ちょっと向こうを向いてくれる?」 「ゆ! ゆっくりむこうをむくよ!」 ぺったりテーブルに接した面を、むにむにと動かして、まりさは背を向けた。 僕の前にそびえる、ペットボトルぐらいの高さの黒帽子。 「お帽子取るよー」 「ゆ? おぼうしとるの?」 きょろきょろ振り向いて、まりさは不安そうに言った。 「おぼうし、だいじだよ! とらないでね!」 「だいじょうぶ、すぐ返してあげるから」 「ゆー、それならいいよ! でもゆっくりしないでかえしてね!」 帽子を取ってからかうのは、この三日で一番楽しい遊びだった。 しかし、それもいまは割愛。 帽子を取ってまりさの見えるところに置いてやってから、僕はまりさのお尻、っていうか後頭部を、軽く持ち上げた。 「いくよー」 「ゆ?」 ぐさっ。 後頭部の一番下。底との境目の部分に、僕は素早く果物ナイフを突き刺した。 もちもちした皮の手ごたえがした。ああ、ほんとに饅頭だ。 「ゆぎゃああああ!?」 まりさは金切り声を上げて飛び上がった。凄まじい声で、刺した僕のほうがビクッとした。 でも、無理もない。人間だっていきなり刺されたら悲鳴を上げるだろう。 「おにいざん、なに? なにじでるの!?」 「動かないでっ」 悪いと思いつつ、振り向こうとしたまりさを、片手でぎゅっと押さえつけた。 そのまま、サクサクとナイフを横へ滑らせて、まりさの底を切り取っていく。 「いだああぁぁ! いだいいだい、まりさちぎれちゃうよおお! やめてねおにいさんやめでね! やめで、やめないどまりざおごるよ!」 サクサクサク。四分の一回った。ほころびた裂け目から、ねろっと餡子が漏れ始める。 餡子が漏れたら失敗だ。僕はあわてて、押さえる手の力を調節した。 まりさは水揚げされた魚みたいに、猛烈にびたびたと暴れる。僕の手がぐいぐいと持ち上げられる。 「やめてっでいってるでしょおおお!!? どうじてやめでくれないのおおお!!? まりざっ、まりざちぎれぢゃうってばあああ!!!」 サクサクサク。あごの下まで来た。やりにくい。僕はテーブルをぐるっと回ってまりさの正面に来た。 カッと見開いた目に涙を溜めて、信じられない、という顔でまりさが必死に訴える。 「おにいざん、まりざだよお!? なかよしのまりさだよ!!! まりざがしんじゃってもいいの!!?」 「頼むからおとなしくしてよ、餡子出ちゃうよ」 僕が言うと、顎の下に目をやって、まりさは凍りついた。わなわなと震えだす。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! あんこでてるあんこでてるあんごででるうう! あんこっ、あんこでたら、まりさしんじゃうんだよおお!! だめっ、だめだってばああ、やめでねえええ?」 サクサクサク。顎の下を過ぎて、四分の三まで来た。まりさは餡子が出るのが怖いのか、もう動こうとしない。 僕は、まりさの叫びに、なんだかドキドキし始めていた。 こんな凄まじい悲鳴を聞いたのは初めてだ。こんな無力な悲鳴を聞いたのも。 メチャクチャにしてやりたい気分がすごく高まって、ちょっとアレな話だけど、ズボンの中が硬くなってきた。 「あ゛あ゛あ゛っ、あ゛あ゛あ゛あ゛っ」 なすすべもなくうめくまりさの前で、サクサクサクとナイフを動かし、出発点へ向かった。 サクッ。 到着。 まりさの底を、切り離した。 「ふう……」 僕は手を離し、ナイフを置いて、額の汗をぬぐった。まりさは「あ゛」の形に口をガッと開いたまま、ひくひく痙攣している。 「まりさ、まだ歩ける?」 呼びかけへの返事なのか、それとも単に逃げようとしたのかわからないけど、まりさは体の左側をグイッと動かそうとした。 その途端、ムリッと餡子がこぼれそうになり、まりさはビクッと動きを止めた。 「動ける、っていうか、試すことはできるんだな」 「あ゛あ゛あ゛……」 「ごめんよ、どうしても確かめたかったもんだから」 「あ゛あ゛……おにーざん、ひどいよ……」 涙をだくだくたらすまりさの後ろへ回って、今度はお尻の下端、っていうか皮の「すそ」に両手を差し込んだ。 「ゆ゛っ?」 めりめりめりめり。 僕は、まりさの金髪に覆われた後頭部の皮を持ち上げた。 ちょっとした毛布ぐらいの厚みのあるもちもちした皮が、めくれていく。 「ゆぎゃあああああ!!! やめでやめでやめでやめでやめで!!! まりざまりざまりざっ、めくれっ! めぐれぢゃううう!!!」 痛みと恐怖のあまりパニックに陥ったのだろう。 まりさは絶叫するとともに、ずりずりと前へ進もうとした。 ところが、底の部分は完全に切り離されているものだから、進まない。 ただ上部の皮と、中身の餡子だけが、前へ進もうとする。 「あっ、こら、だめだよ!」 そのままだとベチャッと崩れてしまいそうだったので、僕はあわてて片手をまりさの顔にかぶせた。 顎の下をつかみ、そちらの皮もめくりあげる。 めりめりめり、めりりっ。 「ゆびゃああああああ!! いだいめぐれらぎゃばわがが」 メチャクチャに動きながら混乱した叫びを発している、口のところまで、皮がめくれた。 さあ、ここからが見所だ。 メリメリッ! 口の上、鼻のところまで(ゆっくりに鼻はないっぽいけれど)、皮をむいた。 どうなるだろう? まだ動くかな? 子供のように胸がわくわくして、ズボンの中が痛いほど突っ張った。ああ、これは夜使えるかも。 「……ぁ…… ……」 餡子から剥がされても、数秒の間は口がぱくぱく動いた。 だが、じきに静かになった。 ということは―― 皮は本体じゃない、のかな。 僕は慎重に、前後左右からまりさの皮をめくりあげていった。 半分ぐらいの高さまでめくりあげると、スポッという感じで手ごたえがなくなった。 「あっ……」 まりさが剥けちゃった。 ヘルメットのような形のもちもちした分厚い皮が、僕の手の中にあった。 テーブルを見下ろすと、お椀を伏せた形の餡子の小山があった。 まりさの、中身だ。 僕はまりさの「頭皮」を、そうっとテーブルに置いた。 中身のない頭皮は、柔らかな帽子みたいに、少し型崩れしたものの、自立した。 僕はまず、そちらと対面してみた。 『皮だけまりさ』はデスマスクのようだった。瞳孔はなくなり、目玉は全体的に黒ずんでしまっている。どっちを向いているのかわからない。 口からはダラリと舌が出ている。その奥は貫通して内側が見える。 ぽっかりと開いた、ただの穴だ。 「まりさ、まりさ?」 返事はない。ぐてっ、と傾いたまま、ピクリとも動かない。 どうやらやっぱり、皮はまりさの本体じゃないらしい。 では、中身だ。 僕は餡子の小山の正面に回ってみた。 『皮なしまりさ』は、黒赤紫色の、てらてらしっとりした小山だ。 二つの小さなくぼみと、ひとつの大きなくぼみがある。眼窩と、口腔だろう。 声をかけてみた。 「まりさ、まりさ」 返事はない。ピクリとも動かない。 餡子なんだから当然だって? でもこいつは、ついさっきまで話をしたり、跳ねたりしていたんだ。 この餡子に力を蓄え、この餡子でものを考え、この餡子で痛みや喜びを感じていたはずなんだ。 僕は人差し指で、餡子に触れてみた。 つんっ。 動かない。ピクリともしない。 少しすくって舐めてみた。 ぺろっ……。 ほんのりした甘味。だが、やはり反応はない。 でも、人間の脳みそだって、動かないし反応なんかしないはずだ。 ひょっとしたら、このひと盛りの餡子の中で、苦痛と絶望の感覚が荒れ狂っているのかもしれない。 目玉を引き抜かれ、皮をすべて剥がれ、敏感な内臓を直接空気にさらされて、言語に絶する苦痛に悶えているのかもしれない。 ……。 僕はたまらなくなった。股間の勃起がうずいている。心臓の鼓動が耳に聞こえるほどだ。 この餡にペニスを突っ込んで、思い切り射精してやりたくなった。 熱い粘液の濁流をどくどくと打ち込んで、もそもそした餡の内部を突き崩してやりたい。 砂場の小山に、ホースの水流を叩きつけるように。 「……ふー……」 だが、ぼくは大きく深呼吸して、自分を抑えた。 まだそんなことをするほど理性が飛んではいなかった。 ただ、代わりに別のことをすることにした。 指を伸ばして、あんこに刺す。 ずぷ……。 抵抗はなく、指はもぐりこんだ。室温と同じ、ひんやりしたペースト。 動いたり、叫んだりはしない。脳と同じように。 ずぷ。ずぷ。ずぷ。 指先をグリグリ動かして、こねてみた。 ずちゅずちゅずちゅずちゅ。 だんだん激しく、バイオレンスに、こねてみた。 ぐちゅう! ぐちゅう! ぐぶぶぶちゅう! 最後は拳でつかんで、握り締めた。指の間から、ねろねろと餡が漏れた。 ふと、僕はあることを思い出した。 ゆっくりは、苦痛を受ければ受けるほど、ある変化が生じるという。 もし、この餡子が、脳のように本当に生きているのならば――。 僕は、ぺろっと指を舐めた。 ぞわぁぁぁぁぁ……っ 「……!!」 息が止まった。濃厚な甘味が襲ってきた。舌にしみこみ、根元までトロトロに溶かしてしまうほどの、恐ろしく濃厚な甘味だった。 さっきは、砂糖の味がするかしないかぐらいの、薄味だったのに。 やはり、こいつは。 僕は、指で攪拌されてグチャグチャになってしまった餡を、じっと見つめた。 その塊に、輝くような笑顔を浮かべて跳ねていたまりさの姿が、ダブッて見えた。 「……っ」 僕はたまらず、手についた餡子を振り捨てると、トイレへ走った。 ガチガチになっていたので、三分もかからなかった。 僕は餡子を小山の形に丁寧に盛り付けなおした。 それから、前後を慎重にあわせながら、『皮だけまりさ』をかぶせていった。 最初に頭頂部分がペタッと接触し、残りの皮がスポリとかぶさった。 その状態で、いったん正面から呼びかけてみた。 「まりさ、まりさ」 返事はなかった。目は真っ黒なまま、舌も肉片みたいにだらりと垂れたままだ。 死んでしまったんだろうか? ――普通に考えれば、まあそうだろう。 皮を剥いで中身をかき回されても生きている動物なんて、いるわけがない。 でも僕は、わずかな希望を持っていた。 ゆっくりなら。 ゆっくりなら、きっと……。 僕は気を取り直し、底面の接着に取り掛かった。 垂れ下がった頭皮の「裾」を、水で濡らして底皮と揉み合わせていく。 それだけでは心もとない気がしたので、ちょっと考えて、水濡れOKの絆創膏をぺたぺたと貼ってみた。 それで底面はくっついた。試しに持ち上げてみたが、ズボッと底が抜けるようなことは、なかった。 「おーい、まりさ」 まだ返事はない。デスマスクのままだ。 ふと、つかんだ皮がぶよぶよと浮いていることに気づいた。隙間に空気が入っているのだ。 これはよくなさそうな気がした。 そこで、カッティングシートを貼るときのように、ナイフであちこちを突いて、空気を押し出した。 皮がぴったりとくっつき、まりさはほぼ生前の姿に近くなった。 だが、まだ動かない。 「うーん……」 残念だった。生きていると思えばこそ、あれほど興奮できたのに。 そのとき僕は、最後の仕上げを忘れていたことに気づいた。 そばにおいてあった黒い三角帽子を取り、金髪の頭にすぽりと乗せた。 そして大声をかけた。 「ゆっくりしていってね!!! ゆっくりしていってね!!! まりさ、お兄さんだよ! ゆっくりしていってね!」 すると―― 「……ゅ……ゆ……ゆっ?」 深い眠りから覚めたように、フッとまりさの瞳に光が戻った。 もぞっ、と身を起こして、きょろきょろと辺りを見回す。 そして、僕をじーっと見た。まだ表情はない。赤ん坊のような、きょとんとした顔だ。 僕はわくわくしてまりさの反応を待つ。 どうするんだろう。怒るのかな? それともすっかり忘れているのかな? ふっ、とまりさの顔に表情が表れた。 笑みだ。明るい、親しみに満ちた表情。僕のことをなかよしだと思っていたときの顔。 そうか、今のひどいことを忘れちゃったのか。 まあ、それでもいい――僕はそう思って、まりさの声を待ち受けた。 まりさが口を開けて、叫んだ。 「ゆっ縺翫していっ繝峨!!!」 澄んだ甲高い言葉の間に、濁ったノイズのような声が混じった。 僕はぎょっとした身を引いた。すると、他ならぬまりさ本人も、驚いたように目を見張った。 「ゆっ・螳!!!」 ゆっく縺疲てュ縲てね!!! 莉贋く荳し臥いっ莨夂ぇぇぇぇ!!!」 懸命に繰り返すが、「ゆっくりしていってね」は出ない。 「ギォ」とか「ィジャ」のように聞こえる、奇怪な言葉が出るばかりだ。 「へんだ邁! ゆ托シり! 陦後く繧がいえないよぉぉぉぉ! まり縺どうなっぢゃっ繝ォぉぉぉぉ! これじゃ蜀埼くりでぎないぃぃぃぃぃ!!!」 見る見るうちにまりさは顔をぐしゃぐしゃにして、泣き始めた。 その泣き声まで、濁った奇怪なものだ。 「ああ……」 僕は理解した。 僕がまりさの餡の中の何かを壊してしまったんだろう。 大事なものを。 そう思うと、またしても股間がズキズキと熱くうずいてきた。 「おにーざ蜊、倥りざをだすけでぇぇぇ!!」 泣き喚きながらすりよってくるまりさに、僕はひとこと、言ってやった。 「ごめん、僕にもどうにもできないよ」 「……ゅ゛っ!」 息を詰めると、まりさはどうにもできずに、大声でわんわん泣き始めた。 僕は、仲間たちがどうしてゆっくりをいじめるのかよくわかって、うっとりとまりさを見つめた。 ゆっくりラヴの人 これからは虐待書くときはこっちのペンネームにします →さらに改め、アイアンマンとします このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/492.html
どこまでも晴れ渡った青空のもと、広い草原の上。8匹のゆっくり達がゆっくりとした時間を過ごしている。 まだ小さい赤ちゃんゆっくりが6匹、成体の、おそらく赤ちゃんゆっくりの親であろうゆっくりが2匹いる。 赤ん坊は全て霊夢種のゆっくりで、両親の愛情をうけていままでゆっくりと暮らしてきたのだろう。 野生種にしては肌に張りがあり、髪も艶がある。要するにとても健康なのだ。 満面の笑みを浮かべながら、「ゆっ♪ゆっ♪ゆっくり~♪」と跳ねながら歌っている。 子供たちよりも二回り大きい霊夢種と、その霊夢種より少し大きい魔理沙種の両親がそれを見守っている。 見守る親ゆっくりの表情もとてもゆっくりとした良い表情だ。 両親の髪には、昨日我が子が自分達のためにと採ってきてくれたタンポポが刺さっている。 自分の子供たちがゆっくりとしたやさしい子供に育ってくれたことが、彼らにはうれしかった。 「れいむたちのこどもいいこだね!」 目を細めてゆっくり親霊夢が言う。 「まりさたちのこどもゆっくりだね!」 親魔理沙もうれしそうに言う。 両親ともにやはりとても健康だ。 そう、私の娯楽に付き合うのに彼らは完璧だ。 長い間ゆっくりの家族たちを見てきたが、彼らほどお互いのこと思いあっているゆっくりの家族はそういるものではない。 彼らを私の素敵なパーティーに招くためには第一印象が大事だ。 できるだけやさしい声で、彼らに話しかける。 「やあ、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 種としての本能か、彼らはやはりゆっくりしていってね!!!と返してくる。 この反応で10日前にやった遊びを思い出す。 ふと、どんな状況でも「ゆっくりしていってね! 」と言えば「ゆっくりしていってね! 」と言い返してくれるのか実験してみた。 ゆっくりの足?かどうかはわからないが、底の部分をのこぎりでゆっくり切る。もちろんゆっくりは泣き叫ぶ。 「ゆっくりしていってね!」と言えば、 「つっづゆっづっりじていっべぇねぇ!!!」と、激痛の余りゆがめた口から、泣きながら「ゆっくりしていってね!」らしき言葉を話していた。 そのゆっくり霊夢は元の場所に帰してやったが、おそらくもう死んでいるだろう。 おっと、いかんな。今大事なのは目の前の彼らを私のパーティーに招くことだった。 「おじちゃんゆっくりできるひと?」 「おじさんゆっくりできるひとなの?」 おじさんかぁ…まあいい。私から溢れるダンディーな雰囲気から、お兄さんではいけないと考えたんだろう。 彼らが聞いてくる。驚いたことに、ゆっくりとだが私から距離をとり、まだ小さい子ども達の前に霊夢種と、なんとあの魔理沙種が立っている。 おそらく私が襲いかかってきたときに、子供たちを守り、子供たちを逃がすためだろう。 特に魔理沙種が子供たちを守ろうとする姿勢は私を感動させた。あの親兄弟子供さえ自分のためなら切り捨てる魔理沙種が! 彼らに会えたことを心の底から感謝しなければ!! 「うん、ゆっくりできる人だよ。ところでそこの君達、とてもきれいな髪飾りだね」 「「うんわたしたちのあかちゃんがくれたんだよ!!」」 「「「おかあさんたちにあげたんだよ」」」 親ゆっくりはうれしそうに、子供ゆっくりは誇らしげに私に向かってしゃべる。 髪飾りを褒めただけで警戒を解くところは、やはりゆっくりといったところか…。 「ところで君たち、ご飯を食べないかい? たくさん持っているんだけど一人で食べるには多いからね。一緒に食べよう」 「ゆっ!!ゆっくりちょうだい!」 「ゆっくりまってね!」 子供たちはうれしそうに駆け寄ろうとするが、親ゆっくり達に止められている。 彼らは少し疑わしそうにこちらを見ている。なるほど、毒を警戒しているのか? ゆっくりにしては賢い。相当修羅場をくぐりぬけてきたのだろうか? 「ははは、毒なんかはいってないから、心配せずに食べてごらん」 ニッコリ笑って風呂敷袋からおにぎりを取り出し咀嚼する、うんおいしい。やはりおにぎりの具は梅干しだ。 「うたがってごめんね!ゆっくりちょうだい!」 信用してくれたようだ、別の風呂敷袋からまた別のおにぎりを取り出す。具は特にない。 そしてなかには無味無臭の睡眠薬が入っている。 それを4個彼らに与える。 「うめぇ!めっちゃうめぇ!」 君達ね、君達の食べているおにぎりを私が食べたわけではないのになぜ毒がないと思うかな? まぁゆっくりだからしかたないか。 彼らが気に入ってくれたようでよかった。 人生最後の食事、いや饅生最後の食事なのだから、ゆっくり味わってほしいのだが、尋常ではないスピード食べている。 君達全然ゆっくりしてない、ちゃんと味わっているのか? すぐに彼らは食事を終えた。 親ゆっくりたちが子供の口に付いたご飯粒を取ってあげている、心温まる光景だ。 「おじちゃん!とってもおいちいよ!ありがとね!」 「おじさん!とってもおいしかったよ!ゆっくりしていってね!」 この家族に私は気に入ってもらったようだ、しばらく彼らと遊んだ。 遊ぶといっても、小さいゆっくりを持ち上げて立ってやるだけなのだが、いつもと違った景色にご満悦のようで、 「ゆっ!とってもたかいよ!」と喜んでくれる。 特におそらく末っ子の一番小さいゆっくりはこの遊びを気に入ったらしく、私の掌でとび跳ねながら 「ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪」 と喜んでくれている。 一番ちいさいのでちびゆっくりと呼んでもいいかと聞くと、 「ゆっ♪おじちゃん大好きだからいいよ」 といってくれた。かわいいゆっくりだ。 そうこうしているうちに薬が効いてきたのか、子供ゆっくりが眠そうだ。 「なんだかねむいね…」 それに気づいた親ゆっくり達は、家に帰ることにしたようだ。 「「おじさん!きょうはありがとね!ねむたいしきょうはおうちにかえるね!」」 親ゆっくりも少しは眠そうだ。体が大きい分薬の回りが遅いようだ。 このまま家に返してしまっては彼らをパーティーに呼ぶことができない。 「子供ゆっくりちゃん達も眠そうだし、そのまま帰るのは危ないよ。だからさ、今日は僕の家に来ないかい? 食事もあったかい寝床もあるし、気に入ってもらえるならそのまま君たちの家にしてもらってもいいよ」 「ゆっ!ほんと!」 「おじさんのうちにいくよ!ゆっくりつれてってね!」 すっかり私のことを信用してくれたようだ。 「うん、それじゃあちょっと狭いけどこの籠の中に入ってくれるかな? 家に着いたらたっぷりゆっくりさせてあげるよ」 ゆっくり達は何の疑いも持たずに籠の中に入っていく。 少しの間はゆっくりたちも私に話しかけてきた。 「ゆっくりできるおうちだったら!れいむたちのおうちだね!」 「とくべつにおじちゃんもすんでいいよ!」 しかし数分もすれば全て寝息になっていた。 私は鼻歌を歌いながら自分の家に向かう。 自宅につくと、地下室に用意したパーティー会場。 鉄製の箱で、蓋はしていない。ゆっくりたちが十分ゆっくりできるほどのスペースは無い。 そこに彼らを一匹一匹かごから出して置いていく。 あと数分もすれば目覚めるだろう。 それにしても良い寝顔だ。なんの心配もなくゆっくりとした表情で寝息を立てている。 親ゆっくり達を中心に、子供ゆっくり達が寄り添うようにして眠っている。 彼らは目を覚ませば、またゆっくりできると思っているのだろう。 「ゆっ~ん」 一匹起きたようだ。それにつられてかほかのゆっくりたちも起きてくる。 「ゆっくりねたね!」 「おはようおじちゃん!ゆっくりちていってね!」 「おうちについたね!ゆっくりするね!」 それぞれ思い思いのことを言いながら飛び跳ねている。 その彼らに、一匹一匹ポリタンクの中からうつしたバケツに入った、とある液体を刷毛でゆっくりの髪にぬりつける。 「ゆっゆ!きもちわるいよ!」 「なにこれ!つめたいよ!」 「こんなことしてゆっくりあやまってね!!」 「「はながよごれたよ!ゆっくりあやまってね!!」」 ゆっくりの両親が揃って抗議する。 鼻?普通髪を謎の液体まみれにされたことを怒らないのか?なぜに鼻? 鼻…はな…花…あっ!このゆっくり子供たちにもらった髪飾りが汚されたことを怒っているのか、 ふーん感動的だね。これからどうなるかも知らないで。 「ああ、ごめんね。君達に灯油を塗ったのはゆっくりするには大事なものだからなんだ」 「ゆっくりできるんだね!」 「はやくゆっくりしたいよ!」 「とうゆでゆっくりできるの?!」 「はやくとうゆでゆっくりしたいよ!」 ゆっくり達にとってゆっくりできると言えば、大抵のことを信じてくれる。便利な言葉だ。 まぁちゃんとした器具を使ってしかるべき使い方をすれば、冬場は家の中でゆっくりできるものだ。私の言ったことはあながち嘘ではない。 さて、準備は整った。それじゃあパーティーの始まりだ。 とりあえずマッチを擦ってみる。シュッ 一度で火がつかない…。 シュッシュッシュボ やっとついた。ニッコリ笑顔で、自分に一番なついてくれたちびゆっくりを呼ぶ。 「いちばんちっちゃいゆっくりからゆっくりさせてあげるよ」 他のゆっくり達からは抗議の声があがったが、順番にゆっくりさせてあげるというと納得した。 飛ぶようにこっちに向かってちびゆっくりが跳ねてくる。 ご飯をくれた、自分と遊んでくれた優しいおじちゃんが、自分を一番にゆっくりさせてくれる。 そう考えたんだろう、満面の笑みで素早く足もとまで来た。 「それじゃあゆっくりさせてね!」 私もニコニコ顔で答える。 「その前に少しの間目を閉じていてね。ほかのゆっくりたちもだよ」 すべてのゆっくりが目を閉じている。どの顔もとてもゆっくりとしていて、これから起こるゆっくりに期待している。 それを確認した私は、ちびゆっくりにマッチの火を素早く近づけようとする。 「ゆっくりはなれろ!!!」 薄目を開けていたらしいゆっくり親魔理沙が、マッチに向ってタックルを仕掛けてくる。 少し驚いたが遅すぎる、止まって見える。マッチの火が素早くちびゆっくりを炙る。 それまで幸せだった人生が変わる瞬間、私はそれがたまらなく好きだ。 火がついた瞬間。 「ゆぎゅぎぃぃいぃ!!」 大声を出して地面を跳ねまわるちびゆっくり。 その絶叫と甘い物が焼ける匂いに、素早くほかのゆっくりたちも目を開け、惨劇に驚愕する。 ちびゆっくりは大声で泣き叫んでいる。無理もない、頭を火ダルマにされているのだ...もっとも顔だけしかないが。 ともかく体に火が付いているのだ、苦しくて当然だ。 ほかのゆっくりたちは、 「れ゛ぇぇむ゛れ゛ぇぇむ」 姉妹の名を叫ぶゆっくり、 「はやくけして!」 私に助けを求めるゆっくり、 「ひぃっ」 あまりの出来事に一瞬息をのみ、 「じぃじぃのぜいでゆっづぐりできないよ!じねぇぇ!」 その後怒りの声をあげるゆっくり。 じじいとは失礼な!!老け顔だが20代だぞ!!! おっと、怒りで我を失ってはいけない。 そうこうしている間に、子供をゆっくりの両親が助けに行ったぞ。 ふふ、あとは椅子に座って見てるだけだ。 「あづぃぃよ゛!!おがぁざぁん!!!!」 熱さにのたうちまわる火ダルマの子ゆっくりを見ても、ゆっくり親霊夢もゆっくり親魔理沙は、まだ助けることができると信じた。 「「すぐたすけるよ!!」」 何とか体当たりでも何でもして火を消すのだ。 二人を突き動かすのは、わが子を助けたいという気持ちだった。 ほかの姉妹たちと違って、生まれてすぐにゆっくりしていってね!を言わなかった我が子。 しばらくして 「ゆっくりしていってね!」 と言ってくれた時はどれだけ安心しただろう。 この娘たちの中で一番小さいゆっくり霊夢は、とても優しくて、ゆっくりとした良い子に育ってくれた。 この二匹の親ゆっくりがつけている髪飾りを取ってこようと最初に提案してくれたのは、今火ダルマで苦しんでいるこの子なのだ。 二人のゆっくりは灯油が塗られた体で火をけすため、飛びつこうとした。その時。 火の粉が舞ったそれは、ちびゆっくりのより近くにいたゆっくり魔理沙の、ちょうどあのタンポポでできた簡素な髪飾りに降り立つ瞬間、燃え始めた。 「ゆ゛っまりさ!かみとぼうしが!!」 ゆっくり魔理沙は驚愕した、なぜ自分はいきなり燃えたんだ、 しかし理由など考えている場合ではない、頭が燃え始めているのだ。 しかも燃えているのは自分の帽子なのだ。 「ゆ゛ッ!!!!」 ゆっくり達にとって、帽子やリボンは仲間の識別に使われる、ある意味命よりも大切なもの。 なければ自分のことを仲間だと認識してもらえず、食われたり、いじめ殺される。 ゆえにその大事なものをとることなどできるはずがない。ちびゆっくりのことも忘れて必死になって火を消そうと地面を転がる。 ゆっくりとは思えないかなりのスピードだ。 しかしその分火の粉が飛んでしまう。 近くにいた二匹の子供にも火の粉があたり、一瞬で火ダルマだ。 「あっづいぃ!!あっっづぃぃぃ!!!」 「ア゛ッつ゛ィぃぃィ゛」 いつもそそっかしいゆっくりが、 世話好きのゆっくりが火ダルマになって飛び跳ねている。 ゆっくり母霊夢の頭にはだんだん事態が飲み込めてきた。 自分たちはこの”とうゆ”という危険な液体をかけられていて、火がついたものの近くにいると発火してしまう。 そしてじぶんの嫁であるゆっくり魔理沙や子供たちは、火の粉をまき散らしながら飛び跳ねている最悪の状態だ。 涙を流しながら叫ぶ。 「ゆっくりはなれて!」 もう火がついた子供を助けることなどできない。 現に最初に燃やされたちびゆっくりはもう動いていない。 火が付いてしまった以上、彼女たちは自分のかわいい子どもから、恐ろしい殺戮者に変貌してしまったのだ。 本格的におもしろいことになってきた。どうやらあの親霊夢は、自分たちが非常に危険な状態にあるということを理解できたようだ。 ゆっくりとは思えないほど賢いな、やはりこの家族を選んで正解だった。 焼酎とつまみを楽しみながらゆっくりをいじめる。 最高の娯楽だ。みんなが火ダルマになってダンスパーティーを楽しんでいる。 数時間前までは、ゆっくりした時間を家族と一緒に過ごしていたのに。 ものの三分で、大事な家族は自分を殺す凶悪な兵器になってしまったんだ。 いま彼らはゆっくりの反対、ものすごくいそいでいるんだろう。 「いそいでにげてね!」 彼らに私なりの声援を送る。 子供の中では一番大きなゆっくり霊夢は、一番臆病なゆっくり霊夢を引きずるようにして、元姉妹から必死に逃げている。 「ゆっくり!いそいでね!」 「ゆゅくり!いぃいそぐよ!」 あまりの恐怖に、顔面蒼白で体中を震わせながら、姉に言葉を返すゆっくり霊夢。 後ろからは姉妹がすさまじい絶叫を上げながら飛び跳ねてくる。 「ア゛ッつ゛ィいダぁイ!!」 声からして、おそらくいつも自分を助けてくれた姉の声だろう。 一度湖に行った時、大きな蛙に食べられそうになったときなど、 カエルに豪快なタックルを決めて追い払ってくれた。 その大好きな姉が、今や火だるまになって追いかけてくる。 少し離れたところでは、完全に体に火が燃え移ったゆっくり魔理沙が絶叫しながら飛び跳ねている。 後ろにはもう姉が来ている。 追いつかれるそう思った瞬間、とっさに体が動いた。 自分をひっぱて逃がそうとしてくれた長女をつかんで、後ろから来る火の玉にぶつけていた。 「ア゛ッつ゛!!」 「ぎゃァぁあいぁ!!」 火の玉は粉々に崩れたが、新しい火の玉が飛び跳ねている。 必死になってにげながら、「ゆっぐりじだぁい!!」 と泣き叫ぶ。しかしできるはずもない、すぐについさっき自分が裏切った姉の火で、自分も火の玉になる。 「ははははは、傑作だねこれは。」 まさに因果応報だ。 悪いことは出来ないものだ、やはり清く正しく生きなければ。 それにしても、思ったよりゆっくりは力があるな。 自分よりだいぶ大きいゆっくりに噛み付いて投げ飛ばすとは。 単に火事場の馬鹿力だったのだろうか。 しかしこれで残りは親霊夢と子霊夢だけだ。 部屋の中心でぶるぶる震える子霊夢を、母霊夢が必死に守っている。 実に感動的だ、髪飾りが落ちているのも満身創痍といった感じで面白い。 まわりでは元家族たちが大きな声で歌いながら、火の衣装を身にまとって踊り狂っている。 この素晴らしいダンスパーティーも終盤だ。 一つ今回の主役達に最後に言ってやろう。 「さいごまでゆっくりこわがってね!!」 元家族たちが、自分達の周りを絶叫しながら飛び回っている。 最後に残った自分の子供が 「みんなでゆっくりしたっかたよ!」 と泣きながら目をつぶって呟いている。 少し前までは、みんなで一緒にゆっくりしていたのに。過去の楽しかった思い出が胸を締め付ける。 涙を流しながら親霊夢も 「みんなとゆっくりできないよ!」 と叫ぶ。めのまえに大きな火の玉が来る。 四方から聞こえる、声にならない声。 火の粉がついに、自分の体につく。すさまじい熱が一瞬で体を包む。すべての思考が切り裂かれ、痛みが体を支配する。 「ゆぎゅぅぅ!!!」 何も考えず飛び跳ねる。否、考えられない。 体を動かさずにはいられない。 あの草原で、子供たちとゆっくりと楽しむため飛び跳ねていたころとは違う、 痛みで飛び跳ねている。何かが体にぶつかって、そこにさらに痛みが走る。また一つ火の玉が増えた。 その五分後、残ったのは八つの炭化した饅頭と、 一輪のたんぽぽだけだった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2487.html
ゆっくり罵倒 うちに帰るとゆっくりが強盗に来ていた。 「ゆっ! ゆっくりにげるよ!」 キッチンでジャガイモをくわえていたまりさが、ぴょんと飛び上がって、もそもそ走っていく。 バカヤロ誰が逃がすか。俺はダッシュしてまりさを飛び越え、縁側に先回りした。 割られていたガラスの代わりにガラガラッと雨戸を閉める。 あーあちくしょう、これ実害じゃねえか。侵入だけなら許してやらんでもないと思ったのに。 実刑判決だな。執行猶予なし。 「ゆうっ! しめられちゃったよ! しかたがないね、ゆっくりあやまるよ!」 またピョンと跳ねたまりさが、俺を見てニコニコと笑いかけた。 「おにいさんごめんね! まりさははんせいしてるよ、ゆっくりゆるしてね!」 ピキキッ。 いかん、温厚なつもりが。 これはけっこう……クるわぁ。 「あぁ? なんだこのお調子もんが、それで許されると思ってんのかバカアホ短足ふくれ饅頭」 「ゆゆっ!? ゆるしてくれないの?」 「ったりめぇだ誰が許すかトンチンカンのアンポンタン! 藪にらみのへっぴり虫のインチキお化けのぶちゃむくれーのスットンキョーのデブ饅頭!」 「でぶっ!? まっまりさでぶじゃないよ! ゆっくりおこるよ!?」 またピョンと跳ねると、まりさは涙を浮かべてぷぅーっと膨れ上がる。 ゆっくり怒りのポーズだ。すかさず俺は怒鳴る。 「うるせえバーカ何がデブじゃないだこれだけボヨボヨならデブ以外の何もんでもねえだろうが!」 「ゆうっ? ゆゆゆゆ」 「デーブデブデブ脂肪の子! 太った中身はあんこっこ! 三段腹の怪生物!」 「ゆぐあああ、まりさでぶじゃない、でぶじゃないいい!」 ぷひゅるるる、と潰れてから、のてんばたん、のてんばたんとまりさはもだえる。 その鼻面に顔を突きつけてさらに怒鳴る。 「デブだしトンマだしノロマだド畜生! 田舎くさい土饅頭がダサボロい古帽子かぶって似合うと思ってんのかエセ生首の低脳団子!」 「だだだだだっ、ださくないいいぃぃぃぃ!!! まりさのおぼうしはさいこうのおぼうしなのぉぉ!!」 お、真っ赤になってわめきだした。そうだそうだ、ここがツボだった。 「お帽子お帽子素敵なお帽子真っ黒お帽子なんの色? あ・ヘドロ色♪ あ・ゴミの色♪ あ・葬式の・服の色♪」 ぺしぺしぺしぺし。帽子をはたいて歌ってやると、狂ったようにゴロゴロころがった。 「うだうな゛あぁぁぁぁぁぁ!!! おぼうしのへんなうだうだうなああぁぁぁ!!!」 「お帽子お帽子素敵なお帽子真っ黒お帽子なんの色? あ・燃えちゃった♪ あ・おコゲ色♪ あ・臭くて汚いうんうん色♪」 「やめろ゛ぉぉぉぉぉぉ!!!!? ぞんなうだ、なじなじなじなじぃぃぃぃぃぃ!!!」 「真っ黒まりさのお帽子は 昔々のお婆ちゃん しわしわばばあのお帽子だ かぶるとばばあだ、ババまりさ」 「ばばばばばばば、ばりざばば゛あじゃないよ゛ぉぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!?」 半狂乱で喚き立て、跳ね狂い、唾を飛ばす。 俺はにんやり笑って、正面から言う。 「ばば・まりさ☆」 「ばばあじゃないぃ!」 「ばばあ。おばばまりさ。しわしわクシャクシャ口臭い」 「くざぐ゛ないいぃぃぃ!!」 「鼻がない。耳もない。ないない尽くしない尽くし。ゴロゴロ転がるボールまりさ」 「なぐな゛いっ! なぐないのぉぉぉぉ!!!」 ぐっ、と腰を据えたかと思うと、猛烈に激怒した風情でぶるぶるぶるぶる震えながら怒鳴った。 「服も着てないパンツもはかない、エプロンもなければ箒もない。貧乏まりさ、ないないまりさ」 「ふっ、ふぐっ? ふぐってなに?」 目を白黒させるまりさを、すかさず嘲笑。 「服って何って? 服を知らないんだ。やぁーいやぁーい、バカまりさアホまりさ何にも知らないオタンチンまりさ! 服ってのはなぁーこれだよこれ!(バフバフ)見りゃわかんだろなんでわかんないんだっとにゆっくりはバカで愚かで無知でスカタンでアンポコリンでオッチョコチョイでメンチボーでアンガラモンガラでブッポーソーだなアッチョンブリケ!」 「あんがらっ! ぶりっ! ぎゅあああああああああ!!!!」 鬼のように目を吊り上げて、口をグワッと全開にして、とにかく何か言い返そうとした途端―― ぶっちーん、とまりさのこめかみが弾けた。途端に、ぶりゅーっと餡が噴出する。 「ゆ゛う゛っ!?」「うおっ!?」 まりさ本人だけでなく俺も驚いた。まりさの横顔から噴水のように餡が吹き出ていく。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、だめっあんこざんっでちゃだめっ!」 餡子を止めようと思ったのか、そわそわっ、とまりさはせわしなく左右を向いた。 しかしそれで遠心力がついてしまって、かえってビュッビュッと餡が勢いを増した。 「ゆ゛を゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!? とめてとめでどめで! おに゛いざんあんこどめでぇぇ!」 びょびょっ、と俺に近づいて、まりさは哀願した。しかし悪いが、俺はまったく逆のことを考えた。 「あーんこあんこ、あんこはうんこ、うんこがぴゅー! まりさがぴゅー! うんこまりさがぴゅっぴゅっぴゅー!」 「ゆがあああああ!!! ばりざはうんごまりざじゃない゛いぃ゛い゛ぃ゛!!」 びゅびゅー。 「や゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! おに゛いざんや゛めろ゛お゛お゛、あんごでぢゃうでじょおおおお!!?」 「うーんこまりさは真っ黒まりさー、中身も帽子もうんこっこー」 「う゛んごじゃなあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い!!!」 それがまりさの遺言だった。 激怒とともにブシャアアアアと餡子が噴いた後は、急にまりさは空ろな顔になって、ヘタヘタと崩れてしまった。 帽子の下で、くぼんだ眼窩の中の目玉を左右別々の方向に向けたまま、「う゛ う゛ん う゛ ゆ」とつぶやいている。 どうやら、激怒により餡圧が高まりすぎて破裂した挙句、餡子欠乏に陥ったらしかった。 俺は、畳一面の餡子とガラスの破片を避けながら、雨戸をカラカラと開け、マイルドセブンエクストライトに火をつけた。 「ふぅ……」 そして、次から外で罵倒しようと心に決めた。 =============================================================================== 罵倒マジで難しいです。すぐ子供言葉になってしまう。 「機関銃のように罵声を浴びせる」ことのできる人がうらやましい。 YT 過去作品 その他 エレベーターガール そ その他 変身 そ ゆっくりいじめ系27 幻想鉄道の動物対策 虐 機 霊夢×ゆっくり系2 博麗神社の酒造り 虐 料 その他 諸君私はゆっくりが好きだ そ 美鈴×ゆっくり系2 ほんめーりん×ゆっちゅりー甘甘水責め 虐 そ その他 FireYukkuri そ ゆっくりいじめ系187 終端速度 虐 家 無 永琳×ゆっくり系11 八意永琳のアルティメット・サイエンス 虐 そ ゆっくりいじめ系264 幻想郷のみにくい生き物 虐 ゆっくりいじめ系281 冬眠ゆっくりの子守唄 そ 環 性 家 ゆっくりいじめ系312 乙女よ、森はまだ早い 虐 性 無 ゆっくりいじめ系345 ゆっくり塊魂 虐 ゆっくりいじめ系1044 ゆっくりと共同生活 虐 家 ゆっくりいじめ系1052 ゆっくりとガチバトル そ 魔理沙×ゆっくり系4 ゆっくりの身の程 ゆっくりいじめ系1285 ゆっくり夢幻 驚異のマイクロゆっくり このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/893.html
※虐待というよりギャグ……? ※オリ設定多し。 『ゆっくり大学虐待学部』 教室の扉が開くと、ゆったりとした歩調で老教授とその助手が入室した。 老教授の姿を見るや、室内の学生は途端におしゃべりをやめて、教室前方へと視線を集める。 老教授が教壇に立つのと、講義開始のチャイムが鳴るのはほぼ同時であった。 ここはゆっくり大学。 ゆっくりを愛でる者、ゆっくりを研究対象と見る者、そしてゆっくりを虐待したい者。 志の違いはあれど、ゆっくりに対する並々ならぬ感情を抱く者達が、知識と技術を身につけるべく、日々研鑽する学び舎である。 老教授が本日のレジュメを配布する。そのプリントには、「ゆっくり虐待概論Ⅰ ②四種類の虐待」と題名が書かれていた。 「えー、本日は主だった虐待の説明を行ないます。虐待は、おおまかに四種類に類型化され……」 しわがれた声で説明しながら、黒板に板書していく老教授。 筆圧が弱いのか、書かれる文字は薄く不鮮明で、どこか頼りない。 「虐待の類型としては、身体的虐待、心理的虐待、ネグレクト、そして性的虐待があります。ではまず身体的虐待から……」 傍らに控えていた助手がさっと動いた。台車に乗せられた1m四方の透明な箱に手を入れる。 中には十数匹のゆっくりが入れられており、助手が掴み出したのは、バレーボールサイズのゆっくりれいむであった。 助手がれいむと鉈を教授に手渡す。 「身体的虐待とは、文字通り身体的に虐待を行うことです。シンプルである分、そのバリエーションは豊富です」 なにやら騒ぐれいむを教卓に押し付け、無理矢理黙らせながら、教授は説明を続けた。 「身体的虐待を行なう上で、最も注意しなければならないのが、殺してはならないということです。 みなさんが行うべきは虐待であり、虐殺ではありません。 もちろん、虐待の果てに殺すことは一向に構いませんが、即死……即座に死なせるようなことがあってはいけません。 日本には古来より寸止めの美学というものがあります。 全裸より半裸、ポロリよりもチラリ。無論、私も着衣エロの信奉者であり、特に裸Yシャツにニーソックスの組み合わせが……と、失礼。話が脱線しました。 ともあれ、ミニスカートとニーソックスの間の絶対領域に萌えを見出すもののあはれの心は、虐待魂にも脈々と受け継がれております」 老教授の説明を説明に耳を傾けながら学生達は真剣にノートやレジュメにメモを取っていく。 「身体的虐待の詳しい説明は、レジュメに書いておいた参考文献を元に各自学習しておいて下さい」 レジュメ末部の参考文献一覧には、「八意永琳、『絶対やりたい、ゆっくり虐待』、幻想書房、2008」と書かれている。 「虐待の過程では、そう簡単に殺してはいけません。生かさず殺さず、じっくりと徹底的に嬲り尽くし、体の芯まで虐待できるような方法を選びましょう。例えば……」 鉈を持つ老教授の手が一瞬、かき消えると共に、「トン」という小さな音が教室内に響いた。 教室内の全ての学生は、一体何が起きたのか分からなかっただろう。 ただ一人、一部始終を目に焼きつくさんと目をこらしていた助手だけが、戦慄と共に理解していた。 老教授は、何事もなかったように、教卓上の霊夢を左右に開いて見せた。 教室にどよめきが広がる。ここでようやく学生は理解した。 老教授が、鉈を使い、恐るべき速さで一刀両断したのだ。あの小さな音は、鉈が教卓に接触した時の音だったのだろう。 「ゆっくりは、このように切断してしまいますと、即死してしまいます。切る時は場所を考えて切りましょう」 助手が、二匹目のゆっくりれいむを取り出して、教授に手渡した。 「頬や頭の一部を狙うのがセオリーです。基本は、餡子が一度に大量に失われないようにすることです」 学生に向かって説明しながら、手元のれいむを全く見ずに、次々と鉈で頬や頭を切断していく。 薄皮とわずかな餡子のみをかすりとっていくその洗練された鉈使いに、教室中の学生が息を飲んだ。 室内の誰もが、「ゆ、ゆ、ゆっ!」と叫ぶれいむのことは気にもとめていなかった。 「しかし、こうしたところでゆっくりにはさほど苦痛を味わせることはできません。真の虐待はこの後です」 ここでようやく教授はれいむに目を向けた。 手元のれいむは苦痛に顔を歪め、涙ながらに抗議をしている。 「い゛だい゛よお゛っっっっ!!! れ゛い゛む゛になんてこ゛と゛ずるのお゛お゛っっ!?」 教授の口元が釣り上がった。 「うっせぇ! 腐れ饅頭がっ!!!」 咆哮と共に、教授の五指が露になったれいむの餡子に深く突き刺さる。 「い゛ぎい゛いいっっっっっ!!??」 激痛に目は血走り、全身が小刻みに痙攣を繰り返す。 れいむのその様子に教授の心が昂ぶる。 「ここか~~? ここがいいのか~? んんっっ!?」 「ひぐっ、あぎゃ、げっ、ごっ……!」 突き刺した指で、れいむの餡子を内部からぐちゃぐちゃにかき回す。 まるで指揮者のタクトに従う楽団のように、教授の指の動きに合わせてれいむが絶叫を上げ続けた。 そして一際大きくぶるっと体を震わせると、苦悶の表情を顔にはりつけたまま、れいむは絶命した。 「……と、このように、餡子に直接刺激を与えることが、ゆっくりに苦痛を与える最も効果的な方法であります。 今回は時間もないのであっさり殺しましたが、その気になれば何時間でもいたぶることが可能です」 助手から渡された手ぬぐいで手を拭きながら、落ち着いた様子で教授が説明を行なう。 「続いて針や釘などを用いた虐待の例を紹介しましょう」 助手が、三匹目のれいむ、束になった針、はさみを手渡した。 「ゆっくりは、内部の餡子を大量に失うことで死に至りますが、度を過ぎる激痛によるショック死も可能です。さきほどのように」 ここで一人の学生が手を挙げた。 「質問です」 「どうぞ」 「度を過ぎる激痛とおっしゃいましたが、具体的にはどの程度の苦痛を与えれば死ぬのですか?」 「痛みを数値化して定量的に比較することは不可能ですが、大まかな目安として、内部中枢の餡子を傷つけなければ、 まずショック死はしないと考えてよいでしょう」 「中枢の餡子なんてものがあるのですか?」 「そうです。それが、他の動物における脳の機能を担っているのかはまだ分かっておりません。 しかし、苦痛に対するある種の急所となっており、その部位に対する刺激には非常に弱いことは明らかになっています」 「……なるほど。ありがとうございました」 「ちなみに、餡子を大量に失う、中枢の餡子が傷つく以外に、温度上昇による死もあります。 恐らく、餡子の組成が変化することが死につながるのでしょう」 教授は他に質問がないか確認すると、講義の続きに入った。 「針や釘を刺すことで苦痛を与えるのも、身体的虐待の中では比較的ポピュラーな部類に入るでしょう。 餡子を外に漏らさず、中枢の餡子を傷つけなければ、手軽に半永久的な苦痛をゆっくりに与えることができますから」 と言って、れいむの頭に針を刺した。 「いたいっ! なにするのおじさん! これじゃゆっくりできないよ!」 れいむの文句を無視してさらに説明を続ける。 「実は、ただ針一本を刺すだけでは、それほど苦痛を与えることはできません。そこで一工夫」 教授の目配せに従い、助手がれいむの頬を両手で圧迫し、固定した。 れいむが動けなくなったことを確認すると、教授はれいむの右のまぶたをつかむと、はさみで切り取っていった。 本来ならばここでれいむの絶叫が聞こえるのだが、助手のせいで口は動かせない。 しかし、教授の目に映るれいむの瞳は、確かに激痛と、教授に対する怒りと憎しみを訴えていた。 もちろん、そんなそよ風のような悪意では、百戦錬磨の教授を動じさせることなどできない。 れいむの訴えなどには意も介さず、左のまぶたも切り取った。 「ゆっくりにとっても目は急所です。そこで、刺すなら目を刺しましょう。 もちろん、刺しやすくするために、事前にまぶたを切るのは忘れずに。では早速……」 助手が、れいむへの圧迫を加減した。もちろん、れいむの叫び声を聞こえるようにするためである。 「おじ……「バルス」いぎゃあああっっ!! め゛がっ、れいむ゛のめ゛がぁぁぁっっ!!」 教授がれいむの右目にぷすりと針を刺した。 「目を攻撃するときは、『バルス』の掛け声は必須です」 そう言うと、教授は次々とれいむの眼球に針を突き刺していった。 「バルス」 「ひぎゃっ……!!」 「バルス」 「い゛っっ!!」 「バルス」 「み゛ゃっぁ……!」 「バルス、バルス、バルス、バルスバルスバルスバルスバルスバルスバルスバルスバルスゥゥゥ!!」 興が乗ってきた教授の両手が、常人では不可視の速度で動き続ける。 途切れることなく次々と針が突き刺される激痛に、れいむが心からの絶叫を上げた。 「いじゃい、いじゃい、いじゃぁぁーいっ!! れいむ゛のめ゛、れいむ゛のめ゛ぇぇっっ!!! ……ふぐっ」 頃合を見て、助手がれいむの口に詰め物を入れて黙らせた。 そして、学生達によく見えるよう、れいむを頭上に掲げる。 すでにれいむの両目には、おびただしいほど無数の針がびっしりと突き刺さっており、まるで眼球からビームが発射されているようであった。 その状態でぷるぷると体を震わせるれいむに、思わず何人かの学生が失笑の声を漏らした。 「当然この程度ではゆっくりは死にません。この状態で放置しておけば、永続的な苦痛を味わせることができるでしょう。 が、いつかはこの痛みにも慣れてしまうかもしれません。その時は……」 教授の手が、れいむの眼球に突き刺さっている針の束へと伸びる。 針の束を掴むと、眼球ごとそれをぐっと内部に押し込んだ。さらにぐりぐりと回し、内部の餡子をかき混ぜる。 「……………………っっっっ!!!!!」 悲鳴を上げられないれいむは、全身を震わせる不恰好なダンスで、苦痛を表現する。 「こうした一連の方法は、八意名誉教授の著作に書かれております。各自参考にしつつ、独創的な虐待方法を考案・実践していって下さい。 では続いて、心理的虐待について」 瀕死のれいむを助手へと手渡し、次の講義内容へと入った。 「みなさんもご存知のように、ゆっくりは基本的に⑨です。 ですが、生意気にも身分不相応なプライドや大切なものを持っており、そうしたウィークポイントを木っ端微塵に打ち砕いてやることが、心理的虐待の醍醐味です。 心理的虐待を行なう上でのポイントは、ゆっくりが、どのようなウィークポイントを持っているのかを見極めることです。例えば……」 助手が、透明な箱から一匹のゆっくりを取り出した。今度はれいむ種ではなくまりさ種である。 透明な箱から取り出されたゆっくりまりさは、すぐさま教授に怒りの声をぶちまけた。 「どうしてまりさたちにこんなひどいことするの?! ゆっくりあやまって、まりさたちをおそとにだしてよね!」 即座に助手がまりさの口を塞ぐと、教授が説明を始めた。 「透明な箱に入っているゆっくり達は、全て同じ群れにいたゆっくりです。そしてこのまりさは、その群れのリーダーです。 ゆっくりまりさといえば、ずる賢く傲慢な上、平気で仲間を見捨てるという邪悪極まりないゆっくりですが、 稀に、このまりさのように、正義感溢れる個体も存在します。 仲間を助けるためには自分の命も危険にさらす、強く勇敢なゆっくり。だからこそ……」 教授の瞳に、まるで肉食獣のように剣呑で獰猛な光が薄っすらと灯る。 「いたぶりがいがある、というものです」 ここで助手がまりさの口から手を離すと、再びまりさが猛抗議する。 「おじさん! なにいってるかわからないけど、まりさはこのむれのりーだーなんだからね! まりさたちをおそとにださないと、まりさがおじさんをひどいめにあわせるよ!」 「みんなを外に出してほしいのかい?」 「あたりまえだよ!」 「じゃあ、おじさんと一つ賭けをしないかい? その賭けに勝ったら、みんな外に出してあげよう」 「ふふん! まりさはつよいんだからね! どんなかけでもぜったいかつよ!」 教室中の学生は全員思った。こいつ⑨だ、と。賭けの内容を知らずに承諾するなど、普通はありえない。 しかし、学生達は、皆同じ結論に達して納得する。 (まぁ、ゆっくりだし) 学生達がそんなことを考えている傍ら、助手が賭けに使うであろう、道具を取り出した。 透明な箱と同じ材質でできていると思われる、といのような物体。長さは約1mほどであり、成体のゆっくりが通れる程度の広さがある。 特徴的なのは、その床面であった。 両端の床面は平らになっているのに対し、その途中、平らな面と平らな面の間は、びっしりと棘で覆われているのだ。 その奇怪な道具を怪訝な目で見るまりさに対し、教授が賭けの説明をする。 「君には、この床の端から端まで歩いて、自分の帽子を取り返してもらおう。端から端まで歩いて、だ」 そう言うと、まりさの帽子――ゆっくりが自分の命よりも大切にしているという帽子――を奪った。 「あ゛あ゛あ゛ーーーー?! まりさのおぼうしーーーーー!! かえじでーーー!」 怒りと悲しみに満ちた声を出すまりさ。 ゆっくりからしてみれば、これだけでも十分心理的虐待になるのだが、当然、それだけで虐待が終わるはずもない。 まりさの悲痛な声をBGMに、教授はまりさから奪った帽子をといの一端においた。 そして、帽子の頭に火をつける。 「じゃあ、まりさ。この床を歩いて帽子を取り返すんだ。制限時間は……帽子が焼けるまでだ」 「あ゛ーーーー! ぼうじ、ぼうじがぁーーーー!」 わめき散らすまりさを掴み上げると、といの端に置いた。 まりさは、メラメラと燃えながら煙を上げる帽子に向かって一直線に向かっていった。 今から渡ろうとする床が、どのような構造をしているのかも忘れて。 「い゛だっっ!!」 体の下部から伝わる痛みに驚き、慌ててといの壁面を飛び越えるまりさ。 その様子に穏やかな笑みを浮かべた教授が、まりさの耳元でささやく。 「駄目じゃないか。ちゃんと向こうまで渡らないと。ああ、それと、もし帽子を取り返せなかったら罰として……」 透明な箱の中から、一番体の小さな赤ちゃんまりさを取り出す。 そして、まりさの目の前であっけなく握りつぶした。 「あ゛ーーーー! ま゛り゛ざのあか゛じゃんーーーーー!!!」 「こうして、群れの全員を殺してしまうからね」 「あ゛あ゛あ゛っっ!?」 透明な箱に入っている全てのゆっくりが声を上げた。 「ひどいよっ!」 「なんでぇっ!?」 もちろんまりさも黙ってはいない。 自分の帽子と、群れの仲間。 2つの大切なものを人質に取られ、まりさが涙を流しながら叫んだ。 「どうじでごんなごとするのぉぉっっ!? ひどいおじざんはいますぐじねぇっ! ゆっぐりじねぇぇっっ!!」 「そんなこと言ってる間に、ほら、帽子が焼けてしまうよ?」 「あ゛あ゛あ゛ーーーー!!」 急いでまりさは、といを渡ろうとした。が、何度挑戦しても、棘の痛みに耐え切れずにといから逃げ出してしまう。 透明の箱からまりさを心配そうに見ながら応援していたゆっくり達だが、しだいに、その声はまりさを罵倒するものへと代わって言った。 「どうしてそんなところもわたれないの!?」 「わたれなかったられいむたちはゆっくりできなくなるんだよ!?」 「なさけないまりさはゆっくりしねっ!!」 懸命に頑張る自分に対し、なぜこんな言葉が投げかけられのか。 理不尽極まりない仕打ちに涙しながら、それでも帽子と仲間を守るために、何度も棘の床にまりさは挑み続けた。 すでにまりさの体はズタズタに引き裂かれており、餡子が徐々に漏れ出している。 だが、それが幸いとなった。餡子が棘にまとわりついているため、しだいに棘の痛みがやわらいできたのだ。 そして、何度目かの挑戦の果てに、ついにまりさは帽子にまでたどり着いた。 「ゆ゛ぅぅぅ……」 しかし、ここでまた難問が待ち構えていた。燃え盛る帽子の火をどうすれば消せるのか。 必死に餡子脳を働かせても、名案が浮かばない。 口で咥えて何度も床に叩きつければ消せるかもしれないが、燃える帽子を咥えることなどできはしない。 ゆっくりお得意のボディプレスも、体が傷ついたこの状態でやれば自分の命が危うい。 「ほら、どうするんだい? もうほとんど燃え尽きているよ?」 「ゆ゛ぐぅぅぅ…………」 苦悩するまりさ。しかし悩む時間はもうない。 「はやくぼうしをとりかえしてね!」 「はやくはやくぅ!!」 「まりさのばかぁ! ゆっくりしてたられいむたちはゆっくりできなくなるんだよ!?」 透明な箱から聞こえてくるのは、まりさの苦悩など構いもしない言葉ばかり。 身勝手な言葉に急かされ、ついにまりさは乾坤一擲の賭けに出た。飛び上がって、帽子の上にのしかかる。 だが、 「あ゛あ゛づいぃぃぃっっっ!!」 まりさの予想以上に火は熱かった。それになにより、餡子が直接火で炙られるのである。 ゆっくりにとってそれは一瞬でも我慢できるものではなかった。 あまりの熱さと痛みに、まりさはゴロゴロと床を転がる。棘のついた床の上を。 「いぎゃあああっっっ!!」 痛みから逃れるために転がったのに、そこで待ち受けていたのはさらなる苦痛であった。 もはやまりさに許されるのは、全身を棘によって傷つけられながら、わけもわからず転がるばかり。 苦笑を浮かべた教授が、まりさをといの外へと出してやる。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ……」 もうまりさは限界であった。全身は切り傷だらけ。一部は火傷も負っている。 だが、それでも立ち上がらなければならない。 帽子のため。 仲間のため。 それはつまりは自身の誇りのためであった。 傷ついた体を無理矢理起こす。 そして見た。 「……ゆっ……?」 あるべきはずの物がない。 自分が必死に守ろうとした、命よりも大切な物が。 それが何を意味しているのか。まりさの餡子脳が理解する前に、教授がささやく。 「残念。帽子、燃えちゃったね」 「――――ゆ゛ぅぅぅぅぅっっっっっーーーーーーーー!!!!」 まりさの絶叫がこだました。 響く絶望の慟哭は、もちろんこの場の人間にとっては心地よい調べでしかない。 絶望のどん底に落ちたまりさを、さらなる絶望へと誘うべく、教授が小さな声でつぶやいた。 「それじゃ、約束通り、群れのみんなには死んでもらおうか」 「……っ!」 その言葉にまりさの体が反応した。 そうだ、まだ自分には仲間がいる。例え帽子は守れなくても、仲間だけは守り通さなければならない。 まりさは恥も外聞もなく、教授に懇願した。 「……お、おねがいです……。まりさはどうなってもいいから、みんなはたすけてあげて……」 ここで自分は殺される。だが、それで仲間を守れる。そして自身の誇りを守れる。 まりさは、ゆっくりにしては非常にめずらしい、誇り高きゆっくりであった。 「そうか。そんなに群れのみんなが大切かい?」 だから、 「……たいせつです……」 そんなまりさだからこそ、 「でも、群れのみんなはまりさのことをどう思っているかな?」 虐待のしがいがあるのだ。 「…………ゆ?…………」 教授の言葉に、ゆっくりと仲間が待つ透明な箱へと視線を向けた。 まりさの目が大きく見開かれた。 そしてこぼれる大粒の涙。 まりさの目に映ったのは、慰めるでもなく、同情するでもなく、奮闘に敬意をはらうでもなく、憤怒と憎悪に満ちた目で自分を睨み付ける仲間の姿であった。 「まりさのばかぁっ!」 「もうまりさとはゆっくりできないよ!」 「じねぇっ! じねぇぇっっ!!」 「なさけないまりさなんていらないよ!」 「れいむのかわりにまりさがしねぇっ!!」 罵詈雑言の嵐がまりさの耳に届いた。 だが、もうまりさはその言葉の意味を理解することはできないだろう。 まりさは仲間を失った。それも最悪の形で。 帽子と仲間。その二つを同時に失ったまりさの瞳には、すでに光は灯っていない。 絶望のさらなる底の絶望に心を蝕まれ、まりさは生きながらに死を迎えた。 教授はその様子に満足げな笑みを浮かべると、学生へと体を向けた。 「このように、心理的虐待を行うときは、まず相手の心理的な弱点を探し、そこを徹底的にえぐるのです。 そのためには、事前の入念な調査が必要になるでしょう。 なお、大雑把に言えば、ゆっくりが持ちやすいプライドといえば、今回のような仲間意識の他に、自分自身の強さや容姿などの自惚れなどがあります。 もちろん、ゆっくり全般の弱点である飾りを攻めるのはセオリー中のセオリーです」 そう説明する間に、助手が生ける屍と化したまりさを片付けていく。 もちろん、殺したりなどはしない。後できちんと元の巣へと返すのだ。 「さて、続いてはネグレクトです。 ネグレクトとは、育児放棄のことであり、人間に対しては、食事を与えない、風呂に入れない、などが挙げられます。 ゆっくりに対しては……、みなさん、お分かりですね?」 そこで助手が用意するのは、おなじみ、透明な箱である。サイズは、ちょうど成体ゆっくり一匹が入るほど。 「ゆっくりを箱の中に入れ、放置する。これが基本でしょう」 そう言って教授は、さきほどまりさを罵倒していたゆっくりの一匹を箱の中に入れた。 「……ゆゆっ!? なにするのおじさん! おじさんとはゆっくりできないよ! はやくここからだしてぶぎゅっ!?」 騒ぐゆっくりれいむの頭上に、無言で拳を落として黙らせる教授。 「ただし、ただ箱の中に入れているだけでは、あまり面白みがありません。 様々な工夫を施し、よりゆっくりがゆっくりできない環境にして苦しめてあげましょう。 なお、ゆっくりできない透明な箱の例を、各自考えてきて下さい。次週までの課題とします」 「えー?」と学生達から声が漏れるのは、いつもの光景だ。 「参考までに、私の最近のお気に入りの方法を教えましょう。夏の暑い時期にぴったりの方法です」 助手が、教授にスプレー缶を手渡した。 箱の中のゆっくりを見つめる教授の瞳がギラリと光る。 「暖符「温暖化フェノメノン―Lunatic―」!!」 教授はそう叫びながら、箱の中にスプレーの中身を放出した。 「ゆゆゆっっっ!?」 突如として箱の中に得体の知れない気体を注入され、れいむが驚きの声を上げた。 だが、差し当たっては害がないことが分かると、すぐさま教授への罵倒を続けた。 もちろん教授はそんな罵倒には耳を貸さない。わめくれいむを無視して説明をする。 「さて、今注入した気体は水蒸気、温室効果が最も高いといわれる気体です。 この暑い夏、水蒸気がたっぷりと入ったこの箱の中は、相当な暑さになるでしょう。 今日から明日まで、この箱は放置します。明日、中のゆっくりがどうなっているか観察して下さい。 なお、Hardでは一酸化二窒素、Normalではメタン、Easyでは二酸化炭素を使います。 ま、ゆっくり相手にLunatic以外を使うことはないのですが」 「実験中 手を触れないで下さい」と書いた紙を貼って、助手が箱を窓際へと移した。 「最後に、性的虐待です。発情したゆっくりありすをけしかける方法が一般的ですが、すっきり寸前に行為を中断させるという方法もあります。 さらには、ゆっくりに対し自ら直接HENTAI行為に及ぶ剛の者も存在します。 みなさんが目指すのは虐待であり、決してHENTAIではありません……が、昔から虐待とHENTAIは紙一重と言われます。 虐待の一環としてHENTAI行為に及ぶのも悪くはないでしょう」 そう言うと、教授はおもむろにズボンのチャックを開けると、その隙間から、いきり立った剛直を取り出した。 老体には似つかわしくない精気漲る逸物に、教室中が息を飲む中、 「やりませんか?」 教授のその問いに、全学生が一斉に首を横に振った。 「そうですか。では、ゆっくりに相手してもらいましょう。私はゆっくりでも構わず食ってしまう男なので。もちろん、性的な意味でです」 助手が、一匹のゆっくりありすを箱から取り出すと、激しい振動を加え始めた。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ……!」 たちまち情欲に溺れ、だらしなく表情を緩めるありす。 その様子を確認した助手が、箱の中から一匹のまりさを取り出した。 「ま゛ぁり゛ざぁーーー!!」 まりさの姿を見るや否や、ありすはよだれをたらしながら襲い掛かった。 「やあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!! やめて、やめてねっ!」 「んほほほぉぉぉぉっっっっっ!!!! いやがるま゛り゛ざもがばい゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 ありすはまりさにのしかかり、激しく体をこすりつけると、絶頂への階段を駆け足で昇り始めた。 まりさの都合などは一切構わない。 ただ、己の欲望を満たすために、まりさを仮借なく攻め上げる。 そして一分と経たずにすっきりする、その寸前に、 「……すっぎりぃぃ!???」 助手の手によってありすの体は持ち上げられた。 「なにずるのぉぉ!? ありずのすっきりのじゃまをしないでねぇぇぇ!!」 興奮状態で怒鳴り散らすありすに、教授が近づいた。 「すっきりしたいですか?」 「あ゛だりまえ゛でしょぉぉぉ!! い゛い゛がらはやくまりさとすっぎりさせでぇぇぇぇぇ!!!!」 「いいでしょう。すっきりさせてあげましょう。ただし……、相手はまりさではなく私ですがねっ!!!!!」 「……ふぐっっ!?」 ありすの口を教授の怒張が貫くと同時に、殺人的なピストン運動が始まった。 「ふんっ、ふんっ、ふんっ、ふふふんっ、ふふふんっ、ふふふんっ!!!!」 「びゅ゛゛゛ーーーーーーーーーーーーっっっっっっっっ!!!???」 上げるべきは悲鳴か抗議の声か。 しかし、許容量以上のものをねじこまれたありすは、まともに声を発することもできない。 無論、がっしりと教授に掴まれている以上、逃げ出すのは絶望的である。 「ふふふふふふふふふふふふふふふんんんんんんっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!! ……うっ!!」 暴虐の限りをつくしていた教授の先端が、ついにありすの口内にカスタードとは似て非なるものをぶちまけた。 口内に収まりきれないほどの大量の粘液。口の端から少量こぼれた他は、ありすの体内へと侵入する。 津波のように押し寄せる白濁液に、ありす体内のカスタードは奥へ奥へと押しやられ、そしてついに行き場を失ったカスタードが、 「ゆ゛ぶっっっっっっっっっっっっっっ!!!」 ありすの眼球を吹き飛ばし、眼孔から勢いよく噴出した。 目から涙のようにカスタードをボトボトとこぼしながら、ありすは小刻みに痙攣を繰り返す。 口から教授の分身が引き抜かれると、妙に流動性の高いカスタードをこぼした。 「……と、これが性的虐待の一例です。ここで一つ注意を。HENTAIに没頭するあまり、虐待を疎かにしてはいけません。 単に陵辱するのではなく、心身ともに傷つけることを忘れないように。射精するにしても、後頭部を打ち抜くくらいの気概で望みましょう」 その言葉を待っていたかのように、教室内に、チャイムが鳴り響いた。 「では、これで今日の講義を終わりにします。各自、課題を忘れないようにして下さい。それではまた次週に」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1738.html
俺は虐待お兄さん。最近、ゆっくり虐待のために大枚をはたいてあるアイテムを購入した。何でもゲーム用の機械らしい。俺はしばらく機械を検分し、その大まかなところを理解した。 さあ、今日も張り切って虐待だ。 ゆっくりぴこぴこ 透明箱の中では、れいむとぱちゅりぃがゆっくりできずに飛び跳ねている。 「むっきゅうううううん!!」 「ぜまぐてゆっぐりできない!!おうちかえる!!!!」 俺は二匹の前に姿を現す。 「おにいさん!!はやくれいむをここからだしてゆっくりさせてね!!きこえないの?ばかなの?しぬの?」 「ぱっちゅはからだがよわいのよ!!いたわってあげてね!!むきゅ!!」 一切取り合わない。時間の無駄だ。用件だけを告げる。 「今日は君達がゆっくりできるものを持ってきてあげたよ」 とり出したるは、大きな箱(テレビというらしい)と小さな箱(スーパーゆミコン)。 まずテレビの電源を入れる。すると箱がぶうんと音を立て、表面が黒い光を放つ。 「ゆゆっ!!」 「すごいわ!ぶんめいのあけぼのね!!」 お前に文明の何がわかるのかと。 さらに、ゆミコンを操作する。箱の表面に開いた穴に、ゲームのカセットを差し込む。それからボタンを押す。 テレビが鮮やかな色彩を映し出し、音を奏でる。その表面に浮き出た文字は―― <<ゆイナルファンタジー4 イージーモード>> 「おにいさん!!これなに!?すっごくゆっくりできそうだよ!!」 「きれいだし、すっごくちてきこうきしんがそそられるわ!!」 落ち着かない素振りでぴょんぴょんと飛び跳ねる二匹。 「これを使って操作する」 俺は小さな箱から伸びたコントローラーを、透明箱の餌穴から中に入れてやる。 「押してみて?」 「いわれなくてもわかってたよ!!ゆっくりとびのるよ!!」 れいむが飛び跳ねて端末の上に着地する。その圧力で端末のボタンが押される。 ぴっ。画面が切り替わる。 <ゲームスタート> 「ゆゆーん!!」 「すごいわれいむ!!そのちょうしよ!!」 「ぴっこ、ぴっこ……しあわしぇーーー!!」 俺は大体の操作を説明してやり、ゆーゆーむきゅむきゅとはしゃぐ二匹を置いてその場を離れた。 ゲームは既に俺が一度クリアしている。簡易な筋書きに加え、おまけとしてもらった別の道具(プロアクションゆプレイ)によって、主人公の能力値のすべてを最大に調整してある。これなら超簡単。ぱちゅりぃ程度の考えがあればクリアできないことはないだろう。 「こんなもんすたー、れいむのてきじゃないよ!!ゆっくりしんでいってね!!」 「むきゅううううん(嬉)!!!!」 壁越しの声に一瞬イラっとした。どうせこうげきコマンド連打してるだけだろお前……。 数日後。 「ゆっくりやったよ!!!」 「むきゅ!むきゅ!」 俺は一際大きいゆっくりの声で目を覚ました。 「やったのか……っ!?」 俺は部屋へと踏み込む。 テレビからは間違いなく、テストプレイの際に俺が見たのと同じ、大団円の結末が流れていた。 「ぜんぜんかんたんだったわ!!」 「ゆっくりぃぃぃ!!!」 二匹のゆっくりはここ数日、夢中になって遊んでいたおかげで餌も少ししか食べていないし寝てもいない。 若干やつれた表情でこちらに向き直る。 「おにいさんありがとう!!すっごくゆっくりできたよ!!」 「それは良かったね」 「たんじゅんだけど、それなりにきょうみぶかかったわ、むきゅ、むきゅ」 「とりあえずお休みなさいな」 休憩を取らせ、俺は次のゲームをセットする。 <<ゆラゴンクエスト>> さらに数日が経過した。 今度は前のゲームほど手ぬるくはない。ゆっくり達は泣き、叫び、時に餡子を吐き出し、地団太を踏みながら、やっとのことでその場面――ゲーム最終盤の選択肢までたどり着いた。 俺は物陰に息を潜めて、ことの次第を見届ける。 *「よくきたな ゆっくりよ。わしが おうのなかの おう りゅうおうだ。 *「わしは まっておった。 そなたのような わかものが あらわれることを… *「もし わしの みかたになれば せかいの はんぶんを ゆっくりに やろう。 *「どうじゃ? わしの みかたに なるか? 」 れいむが箱の中の敵の親玉を威嚇するようにふくれっつらをする。 「ゆゆっ!!そんなのとんでもないよ!!せかいはぜーんぶれいむとぱちゅりぃのゆっくりぷれいすだよ!!かんちがいもいいかげんにしてね!!」 やばい!このままでは―― そう俺が戦慄したとき、ぱちゅりぃがれいむに異議を唱える。 「まってれいむ!!よくかんがえるのよ!!」 「かんがえるまでもないよ!!べぎらまーでいちころだよ!!」 俺ははらはらしながら見守る。 「いいこと。ゆっくりはここまでたいへんなきずをおっている。えむぴーもすくないわ。 いくらゆっくりがさいきょうのゆうしゃといっても、こんなつよそうなのとたたかってまけたらいちだいじよ!!」 そりゃ一大事に決まってる。何しろこいつらセーブしないでぶっ通しなんだもん。俺?教えてやらないけどな!! 「ゆゆ!やりなおしはいやだよ!だけどかてばもんだいないよ!!」 「きけんなぎゃんぶるはしないのよ!ここは、せかいのはんぶんでゆるしてあげるのよ!!」 ぱちゅりぃの提言に不満そうなれいむ。しかし、ここまでゲームを進めることができたのはぱちゅりぃの助言があってのこと。 渋々といった感じで、ぱちゅりぃの言葉を受け容れる。 「ゆ……わかったよ、はんぶんでゆるしてあげるよ!!」 ヤ ッ タ ー ! ! ! ! ! ! ! ! 俺は内心の喜びを押し隠し、物陰から歩み出る。 「おおっれいむにぱちゅりぃ、もうくりあするのか(棒読み)」 「そうよおにいさん!このげーむもあっけなかったわね!! いまやいちりゅうげーまーのぱちゅりぃにとってはねむねむすぎてあくびがでそうだったわ!! たったいま、あくのごんげとせっぱんではなしをつけたところなのよ!!」 ねむねむ過ぎるのは寝てないからだよ、うん。 もう一週間近くかかりっきりじゃねえか。 「かんだいなれいむがはんぶんでゆるしてあげるよ!!ゆっ!」 れいむがボタンに飛び乗り、選択肢を選ぶ。 ニア は い いいえ ピコッ *「ほんとうだな? *「では せかいの はんぶん やみのせかいを あたえよう! それは俺にとっては既知の展開。ゆっくり達にとっては意外な流れだ。 「ゆぅ…?やみのせかいじゃゆっくりできないよ!!ひかりのせかいをちょうだいね!!」 *「そして…そなたに ふっかつの じゅもんを おしえよう! ちにはらろ ぐうのへなふみ やりわげず げでぶ *「これを かきとめておくのだぞ。 *「おまえの たびは おわった。 さあ ゆっくり やすむがよい! わあっはっはっはっ 俺はりゅうおうと一緒に笑い出したくなるのをこらえて、ゆっくりのために復活の呪文を書きとめ、渡してやる。 「むきゅん!!なるほどね!!これをつかえばおーるくりあーなのね!!」 「さすがぱちゅりぃ!えんでぃんぐたのしみだよ!!」 一文字ずつ復活の呪文を打ち込むれいむ。 そして…… ぴこりーん。 「なんで……?」 「うぞ……なにごれ……」 れいむとぱちゅりぃは呆然とする。りゅうおうから貰った復活の呪文。それを使って現れたものはこのようなデータだ。 ステータス ゆっくり LV3 HP 20 ちから 7 すばやさ 2 かしこさ ⑨ けいけんち 8 りゅうおうの甘言にのせられたけっかがこれだよ!! 先ほどまでのクリア直前のデータからは似ても似つかない、ほとんど無価値な代物だ。 「むきゅ!こんなぱらめーたーじゃゆっくりできないわ!!おかしいわ!むきゅ!」 「あいてむなくなっちゃった?れべるもひくいよ!?なんで!?なんでえええ!!???」 混乱する二匹に、俺はダメ押しをしてやる。 「おいおいまさかりゅうおうなんかにだまされちゃったのかい?恥ずかしいなあ!! 賢いぱちゅりぃがついていながら、どうしてこんなことになっちゃったんだい?」 「ゆぎくっ……」 れいむがぴくっと身体を震わせ、怖い顔でぱちゅりぃに向き直る。 「ぞうだよ……ぱちゅりぃが!!ぱちゅりぃがはんぶんでゆるしてあげてなんていうから!!ぱちゅりぃのせいだよおおおお!!ゆぐううんんん!!!!」 「ぱっちゅはわるくないわ!!わるいのはりゅうおうよ!!」 そう言いながらも恥ずかしさに身悶えるぱちゅりぃと、いままでの時間のすべてが無為に終わったことに絶望するれいむ。 空腹を我慢し、 寝る間を惜しんで一生懸命れべるを上げ、 操作をミスっては塔から何度も墜落し、 やっとたどり着いた結末がこんなものだなんて…… 「うそ!うそよ!!こんなのうそよ!!!むきゅうううんんんんん!!!」 「やりなおすのやだああああ!!!!ゆっぐりでぎないいいいい!!!!!」 二匹仲良く、イヤイヤと身をよじって悲しむ。 「なるほどね。ぱちゅりぃのせいで、りゅうおうもたおせず、こんなゆっくりできないれべるになっちゃったんだね? ぱちゅりぃはばかなの?しぬの?」 「むっきゅーーーー!!!いわないでぇーーーーーー!!!」 「ゆああああああんんんんん!!!!」 しかし、驚くべきことにぱちゅりぃはへこたれなかった。 三日三晩泣き通したあと、燃える闘志を餡子に秘め、けなげにもふたたび立ち上がったのだ。 「むきゅ、むきゅ……れいむ、めいよばんかいのちゃんすをちょうだいね!! おにいさん!!こんなくそげーじゃなくてもっとぱっちゅにふさわしいのをさせてちょうだい!!」 俺は感動のあまり目元に浮かんだ涙をふき取る。 「わかったよ、次は頑張るんだぞ。あと、その前に少し寝れ」 ぱちゅりぃとれいむの次なる挑戦のために、俺はゲームを吟味する。 経験を積んだ二匹には今までのようなゲームでは手ぬるい。ぱちゅりぃも簡単すぎてあくびが出たって言ってたし。 真のゆっくりを味あわせてあげるには、やっぱりそれなりに(Lunatic的な意味で)手ごたえのあるゲームじゃないとね。 「よしっ!これだ!!」 その後、二匹が餓死寸前まで<<ゆぺランカー>>に挑戦する羽目になったのは言うまでもない。 おしまい □ ■ □ ■ あとがき 背景世界への知識が足りず、テレビ、電気の有無等が曖昧になってしまいました。もっと勉強せな…… 読了ありがとうございました。 過去に書いたSS 豚小屋とぷっでぃーん 豚小屋とぷっでぃーん2 エターナル冷やし饅頭 れみりゃ拘束虐待 無尽庭園 ゆっくりできない夜 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/78.html
ゆっくり害獣駆除 11KB ※スレ内で「街中のゆっくりはねずみを狩れないだろうか」という話題があったので、そ れに触発されて書いてみました ※独自設定垂れ流し 「おぢびぢゃぁぁぁぁぁん!!」 ゆっくりれいむの悲痛な声が路地裏に響き渡る。 れいむの最愛の子れいむは、今や無数のネズミにたかられ喰い殺されようとしていた。 最近、この街ではネズミが大量発生していた。野良ゆっくりの親子が襲われる――この 無惨な光景もまた既にありふれた日常の一部である。 「ゆあぁぁぁぁ! だれかだずけでぇぇぇ!」 れいむは助けに行けない。ネズミには敵わないことをよく知っているから。 れいむは逃げない。子れいむを見捨てられないから。 愚かだった。だが、子を想う母の愛、誰が笑えるだろう。 その愛に応えるかのように、救いがやってきた。 「チュウゥ!?」 何かに脅え、ネズミが一斉に逃げ出したのだ。 れいむはその原因には頓着せず、愛する子れいむへと向かった。 だが、遅かった。子れいむがそこにいたことを示すのは、コンクリートに飛び散った餡子 とおりぼん、ただそれだけだった。 れいむは泣いた。悲しみにくれた。 「おい、ゆっくり。ネズミ共に復讐しないか?」 「ゆ?」 声に振り向けば、そこにはネズミが逃げ出した原因――人間が、いた。 人間の思いがけない提案に、れいむは目を白黒させた。 ゆっくり害獣駆除 「ゆっほ、ゆっほ!」 れいむは街中を跳ね、駆ける。 その頬袋の中にはいくつものダンゴが詰め込まれている。 「ゆ! このへんでねずみさんにあったことがあるよ!」 れいむは路地の一角に、ぷっとダンゴを一つ置いた。 そして再び駆け出す。 あの日。子れいむを失ったとき、人間に教えてもらったネズミへの復讐法。それは殺鼠剤 入りのダンゴを街にばらまくことだった。 れいむはあの日から、人間に教わった場所で殺鼠剤入りダンゴを補給してはこうしてネズ ミの通り道に置いて回っているのだった。 お腹が減ってもダンゴを食べようとはしなかった。人間から口に含むぐらいならともかく 食べたら危険だと聞いていた。もちろん、それでゆっくりの餡子脳が食欲を押さえられる わけがない。ダンゴからする匂いが、ゆっくりの食欲を大きく削ぐのが主な原因だ。 れいむは毎日休むことなく、ネズミに復讐する日を夢みてかけ続けた。 そんなゆっくりできない生活が一週間ほど続いた頃だった。 「ゆ! ね、ねずみさん……!」 れいむの前にネズミが現れた。だが、様子がおかしい。いつもは全然ゆっくりできない素 早さで走るネズミが、まるで酔っぱらったようにフラフラとしているのだ。 れいむは悟った。今が復讐の時だ。 「ゆっくりできないねずみさんは、ゆっくりしないでさっさとしんでね!」 そして、ゆっくり得意の体当たりをかました。 普通ならネズミがゆっくりに負けることなどあり得ない。その敏捷性と牙はゆっくりのよ うな鈍重な饅頭を容易く屠る。 だが、今はその敏捷性が失われている。おそらく殺鼠剤を口にしたのだろう。 れいむの体当たりはクリーンヒットした。ネズミはその素早さと引き換えに、身体は華奢 で脆い。成体サイズのゆっくりの体当たりはネズミにとって致命傷になった。 勝負は決まった。だが、れいむは止まらない。 「しね! しね! ゆっくりしないでさっさとしね!」 何度も何度も、ネズミがぺちゃんこになっても踏みつぶした。 「おちびちゃん、やったよ……!」 こうしてれいむは見事復讐を遂げたのだった。 ゆっくりがネズミを倒す。常識的に考えて、極めて珍しいことだ。 だがこの街においては、それは次第に珍しいことでは無くなっていた。 「ゆ、ゆ、ゆ~♪」 街中の薄暗い細道を、一匹のゆっくりまりさが上機嫌に跳ねている。そのおぼうしの中に は今日の収穫物――ネズミの死体が入っている。殺鼠剤で死んだものを、まりさは運良く 見つけることが出来たのだ。 収穫物とは言っても、ゆっくりにネズミを食べる習慣はない。基本的にゆっくりはネズミ に食べられる方だし、稀にネズミの死体を見つけることはあっても腐ってる場合が大半だ からだ。 だが、まりさは上機嫌だった。その理由はこれから向かう先にあった。 人通りの少ない道にその機械はあった。 大きさと形は清涼飲料水の自動販売機に似ている。だが、ジュースのサンプルなどは展示 されておらず、代わりにゆっくりにも読める看板がついていた。 「あまあまあげるから、ねずみさんをちょうだいね!」 看板にはそう書かれている。 まりさは機械の前に来ると、ネズミをおぼうしから取り出した。機械には、ちょうどジュ ースの取り出し口の位置にぽっかりと四角い口が開いている。まりさはそこにネズミを入 れると、機械に呼びかけた。 「ゆっくりしていってね!」 『ユックリシテイッテネ!』 機械もまた、機械音声で答えた。 そして四角い入り口が閉じ、中でガチャガチャと機械的な駆動音が響く。 待つこと数秒。 『ネズミサンヲクレテアリガトウネ! オレイニアマアマヲアゲルヨ!』 機械の声と共に、再び四角い入り口が開く。 そこにはアンパンがあった。 「ゆ! きかいさん、ありがとう! これでおちびちゃんたちがゆっくりできるよ!」 まりさはおぼうしにアンパンを詰め込むと、おうちに帰ろうとする。 「ゆゆ、わすれるところだったよ!」 立ち止まり、まりさは機械の横にまわる。 そこには底の浅い大きなカゴの上に山積みされた、殺鼠剤入りのダンゴがある。 まりさはダンゴをいくつかをとり、これもまたおぼうしの中に入れた。 ダンゴは巣に帰る途中で街にばらまくつもりだった。そうすればまたネズミの死体が手に 入る。ネズミの死体が手に入ればアンパンが手に入り、もっとゆっくりできるのだ。 まりさは上機嫌で、愛しい家族が待つおうちへの道を急ぐのだった。 ゆっくりにネズミと引き換えにアンパンを渡す機械。これは、人間が用意したものだ。 この街では最近になってネズミの大量発生が問題になっていた。それも広範囲に渡って繁 殖していたので、対応に苦慮していた。 そこで考え出されたのゆっくりを利用する方法だ。 ゆっくりとネズミの生活圏は重なる。ゆえに、ゆっくりは人間より詳しく、言うなれば肌 でネズミの暮らしている場所を知っている。だから効果的に殺鼠剤入りダンゴを配置する ことが出来た。 人間がこうしたダンゴをばらまく場合、人間の匂いがつかないよう注意しなくてはならな い。だがゆっくりならその心配も無用だ。むしろネズミはゆっくりの匂いに惹かれるため、 ダンゴへの食いつきも良かった。 ゆっくりがダンゴを食べてしまうこともなかった。ゆっくりが嫌いネズミが好む香料は開 発済みだっだったのだ。 さらに、殺鼠剤には幻覚作用のあるものを利用した。一般に殺鼠剤を食べたネズミは巣に 帰ってから、あるいは人間の手の届かない狭い通路で死んでしまう。下手にネズミを大量 死させると、雑菌や害虫の温床となってしまうことがある。幻覚作用によりネズミの多く は路上で死に、そしてその死体はアンパン目当てにゆっくりが回収する。 このように計画は考え抜かれ、実行に移された。 最初は人間が少数の野良ゆっくりに方法を教えて回った。ネズミと引き換えにアンパンと いうあまあまが手に入る――この噂は街中の野良ゆっくりの間で瞬く間に広まった。 計画は見事軌道に乗り、ネズミは見る見る減っていった。 人間とゆっくりの理想的な協力関係。そんな奇跡がこの街では実現したのだ。 「おちびちゃん、ゆっくりしてぇぇぇ!」 ある、朝のこと。 職場へ急ぐ男は、ゆっくりありすの親子を見かけた。 親ありすが動かなくなった子ありすに必死に呼びかけているようだ。男はその様子が気に なった。 「やあ、どうしたんだい」 「ゆゆ、にんげんさんっ!?」 「ああ、大丈夫。私はゆっくりできる人間だ。それよりどうしたんだい? 君の子供、な んだか元気がないみたいじゃないか」 「ゆゆぅ……おちびちゃん、うごかなくなっちゃったのよ……」 「どれ、見せてごらん」 親ゆっくりは警戒していたが、最終的には男を信頼したようだ。男は自称したとおりゆっ くりできそうな雰囲気だったし、ゆっくりはネズミを捕るから危害を加える人間も減りつ つあったからだ。 男が手に取ると、子ゆっくりはわずかに目を開いた。相当弱っているようだ。やせこけた 頬、くすんだ髪。症状は明らかだった。 「栄養不足なようだね。ごはんがないのかい?」 「ゆゆぅ……ありすはとかいはよ、ちゃんとごはんのじゅんびはできるわ……でもおちび ちゃん、さいきんごはんをはきだしちゃうの……」 「……それは大変だね」 言いながら、男はカバンからデジカメを取り出すと子ありすを数回撮影した。ありすは男 の行動が理解できず、不審そうに男を見る。 「ああ、すまなかったね。ゆっくりの写真を撮るのが趣味でね」 「ゆ、ゆゆ! しかたないわね! ありすのおちびちゃんはとかいはだから、しゃしんを とりたいのもむりはないわ! でも、ことわりもしないでとるなんて、とかいはじゃない わよ!」 「ああ、確かに不作法だったね。お詫びをしよう」 男は子ありすを親に返すと、カバンから今度はアンパンを取り出した。ネズミの報酬とし て得られるあのアンパンだ。 「ゆ! ありすはねずみさんもってないわよ!」 「いいんだ。言っただろう、これはお詫びだ。かわいい子ありすも見せてもらったことだ し、お礼と思ってくれてもいい。ああ、でも、他のゆっくりには内緒だよ? 君にだけ特 別だから」 「しょ、しょうがないわね! そこまでいうならもらってあげるわ!」 ありすは子ありすを口の中へ収め、アンパンを頭に乗せると器用に跳ねていった。 ふと、途中で振り返り、 「な、なかなかとかいはなおにいさんね!」 頬を紅くして言うと、路地裏へと消えていった。 男は苦笑してしまう。 「別に無理して礼なんて言うことないのに……」 男は心底礼などいらないと思っている。 なにしろ、あのアンパンにはゆっくりを殺す薬――殺ゆ剤が入っているのだから。 いま渡したアンパンばかりではない。ネズミと引き換えにゆっくりに渡されるアンパン全 てに殺ゆ剤が入っているのだ。 今回使われたのは、特殊な殺ゆ剤だった。 まず、投与した時点では毒性が極めて低い。 極端な話、あのアンパンを百個食べてもゆっくりが死ぬことはないだろう。 代わりに、ひとたびゆっくりの体内に入った殺ゆ剤はうんうんやしーしーで排泄されるこ となく残留する。 そして、ゆっくり最大の不思議能力のひとつ、「餡子の変換」に影響を与える。 ゆっくりは食べたものは何でも餡子に変換する。そして餡子を行動のためのエネルギーや、 餡子を包む皮に変換する。殺ゆ剤はこの特殊能力を利用するのだ。 殺ゆ剤が最初に効果を発揮するのはゆっくりが生殖行為をするときである。 すりすり、ぺにまむ、いずれの方法の生殖でもゆっくりは体液を生成、分泌する。殺ゆ剤 はこのとき、毒性をわずかに強めた上で体液に紛れ込む。殺ゆ剤に侵されたゆっくりとす っきりーすると、そのゆっくりはより強い殺ゆ剤に侵されることになるのだ。 次に効果を発揮するのは、にんっしんしたときである。 赤ゆっくりを宿したゆっくりは、体内の餡子をエネルギーに変換して赤ゆっくりに供給す る。このとき、送られるエネルギーに毒性をわずかに強めた殺ゆ剤が紛れ込む。 結果、赤ゆっくりは母胎よりわずかに強い毒性を持った状態で産まれることになる。 つまり、ゆっくりが世代を重ねるごとに毒性が高まっていくのである。だが、毒性がある 一定以上高まるまでゆっくりには殆ど害はない。 毒性が一定以上に高まったとき――初めて、殺ゆ剤は最後の効果を発揮する。 それは「餡子の変換能力の破壊」である。 前述したように、ゆっくりは食べたものを餡子に変換し、その餡子を変換して行動のため のエネルギーを得る。これが一切不可能になるのだ。つまり、ゆっくりは食べることも動 くことも出来ず死ぬことになる。 さきほどの子ありすはこの初期症状が出始めたものだ。もうろくに食べることも出来ず、 動くのも辛くなってきているようだった。 もしかしたら持ち直し、成体ゆっくりにまで成長できるかも知れない。だが、次の世代は 生き残れないだろう。 ゆっくりは脆い。簡単に殺せる。 だが、ゆっくりという「種」は強靱だ。どんなに殺そうと、しばらくすればその圧倒的な 繁殖力で数を戻してしまう。 この殺ゆ剤はそのゆっくりの繁殖力を殺す薬なのだ。 なぜ、人間は害獣のネズミを殺してくれるゆっくりにこんなことをするのか? その答は簡単だ。 ゆっくりこそがネズミの大量発生の原因だからだ。 高い栄養価。簡単に狩ることの出来る鈍重さ。それでいて幾ら食べようと数を減らさない ゆっくりは、ネズミにとってこの上ないごちそうだったのだ。 そしてゴミ捨て場を荒らし人家に不法侵入するゆっくり自体、害獣に他ならない。 「お前らが滅ぼされるのは自業自得だ。街の生態系をすっかり壊しちまいやがって……」 呟き、男は空を見上げる。 電線の上には無数のカラスがいる。ゆっくりのせいで増えたのはネズミばかりではなかっ た。ネズミが増えたことによりそれを狩るカラスやネコも増えた。ネズミとゆっくりにつ いてはどうにかなりそうだが、他にも解決しなくてはならない問題は山積みだ。 「まあ、でも、俺達が頑張るしかないか」 まずは、先ほど撮った子ありすの写真を報告しようと心に決める。 そして再び男は職場へ――害獣駆除の研究所への道を急ぐのだった。 了 by触発あき 触発あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る かシコい -- 2021-02-23 00 35 05 ゆっくり死すべし -- 2015-10-10 23 16 57 ベトナム戦争で、米軍がベトコンに対して行った戦法ですか -- 2013-07-28 22 37 19 貝毒みたいな蓄積型の毒物か。食物連鎖ではなく生殖で累積されていくというのは中々に悪辣ですな。閾値を越えた途端に、ドカンってか。 -- 2011-09-10 03 34 08 ↓キモオタカーニバルでググれ -- 2010-09-30 21 08 39 ↓落ち着いて変換するんだw あとその話、できたらkwsk -- 2010-09-25 06 56 38 無い線地帯のゲリ羅をつぶす方法じゃないかwww -- 2010-09-10 01 08 32 毒を持って毒を制す良い例え話 -- 2010-07-02 21 59 54 ええ話や -- 2010-06-17 12 25 56 なるほど -- 2010-04-10 18 15 42 死ねクズ野郎 -- 2010-03-02 01 44 36
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3257.html
ゆっくりの重さ ゆっくりの体当たりがなぜ効かないか? 喰らってみればわかると思うけどゆっくりは見た目よりも非常に軽い。 それは何故かを今から標本を作りつつ説明しよう。 「れいみゅおなきゃすいちゃよ!はやきゅごはんをもっちぇきてね!」 机の上で腹が減ったとわめいているのはゆっくり子れいむ、頬を膨らませたり、 悪態をついたりと態度が悪い、あまり出来の良い個体とは言えないゆっくりである。 「きこえちぇるの?はやきゅれいみゅにごはんをちょうだいにぇ!ばかにゃの?しにゅの?」 男はれいむの言葉を無視しつつ、標本作りの準備に取り掛かる。 「今から永遠にゆっくりさせてあげよう・・・」 男はそう言うとれいむの頭に素早く下敷きを振り落とす。 「ゆ゙っ!」 れいむは反射的に悲鳴をあげるが自分の体に何が起こったかは理解していない。 しかし襲い掛かる激痛が自分の体に起こった事を嫌でも知らしめる。 れいむは男が振り下ろした下敷きに体を左右対称、真っ二つにされてしまったのである。 「「ゆ゙びぃげgfpg!い゙おgjおげgljh〜ぃ゙」」 左半分と右半分からそれぞれ悲鳴が聞こえる。 何を言ってるかは解からないが、「ゆびぃ!いたい〜」っとでも言ってるのであろう。 男はれいむと下敷きの設置面を瞬間接着剤で固めていく。 そして餡子を吹き出す可能性が高い目と口も同様に接着剤で塞いでやる。 本当なら口から塞ぐほうがよいのだが手馴れた人ならどちらからやってもかまわない。 目を塞ごうとするとれいむは反射的に目を閉じようとする。 しかし、男の指にまぶたを押さえつけられ目に直接接着剤を塗られることになった。 「ゆ゙っgklっ!ゆ゙qぁlっ!」 何を言ってるかは依然としてわからないが綺麗に切り落としたのでまだまだ元気である。 悲鳴を聞けなくなるのは残念だが、口も塞いでやる。 ここで男はこだわりを見せる。 唇を塞ぐほうが圧倒的に簡単なのだが喉の奥を接着剤で固めることにより、 れいむは餡子を吐き出すことが不可能となる。 「・・・・・・!」 これによりれいむは口を動かすことはできるが声や餡子を吐くことは出来ない状態になる。 男は最後に注射機をれいむの頭に突き刺す。 ゆっくりの痛みによる膨張を防ぐための薬品がれいむに注入される。 これでゆっくり標本の山場は終わりである。 後で理由も説明するがゆっくりは激しい痛みに襲われると餡子を吐き出してしまうために ここまでの一連の作業は素早く行う必要がある。 あとは下敷きの余分な部分を切り落とせばゆっくり標本の出来上がりである。 ここから先はこの標本を使ってゆっくりが軽い理由をを説明しよう。 断面を見ると皮の部分と餡子の部分が見える。 餡子の部分は中枢餡子と通常餡子の2種類があるのだが、人間の目にはどちらも同じに見える。 餡子はゆっくりにとって生命を維持するために必要な物である。 この餡子は饅頭などに詰まっている餡子と似ているがまったくの別物である。 ゆっくりの餡子を顕微鏡で見ると、エアインチョコみたいな構造になっている。 ゆっくりが軽い理由の一つである。 皮にも同様に気体が存在し、このせいでゆっくりの体は見た目よりもかなり軽い。 そしてこの気体は空気よりも軽いために浮力が発生する。 このためゆっくりは長い滞空時間をもったジャンプをすることが可能である。 反面、地面の力を利用することが出来ないためにその動きは非常にゆっくりしている。 エアインチョコのような体の構造、空気よりも軽い気体が詰まっている。 この二つの理由によりゆっくりは見た目よりも非常に軽い。 しかし、ここで一つ疑問が残る。 そんなに軽い饅頭がなぜ水に入ると溺れるのか? ここで一つ実験をしてみよう。 男は一匹の子まりさを取り出す。 「ゆぅ?ここはどきょ?おじしゃんはゆっきゅりできりゅひと?」 まりさは男に色々と話しかけるが無視して持ち上げる。 「ゆ〜おしょらをとんでるみたい!」 まりさは始めて見る光景に感動する。 しかし、男が手を離すことによって一気に恐怖のどん底に落とされる。 ボチャッ 子まりさは水槽の水に着水する。 「ゆぴぃっ!ごぼぼっおぼりぇる!ごぼっ!おきゃ〜しゃんごぼっ!たしゅけちぇ〜!」 まりさはこの場にいない母に助けを求めるが当然いないものが助けに来るはずもない。 「おじしゃん!ごぼぼっ!まりしゃをたしゅけて!ごぼ!ったしゅけちぇ〜」 子まりさは男に助けを求めるが男は見つめているだけである。 「ゆぼぼっ・・・どぼじで・・・まりしゃごぼっ!もっちょゆっくりごぼぼぼぼ」 しばらくするとまりさは水の底に沈んでいく、沈んだ状態でもゆっくりは生きている。 しかし皮が破けることにより餡子が流出することにより死んでしまう。 水槽の底でまりさは体をよじらせたり跳ねようとしたりするがほとんど動けていない。 ゆっくりが水に沈む理由、 ゆっくりの体の中に存在する気体は水溶性が高く、水が浸水しやすい。 水を吸収してしまったゆっくりは非常に重くなる。 ゆっくりも水分を必要とするが取り過ぎた場合、普通なら体外に放出することが出来る。 しかし、雨などゆっくりの意思とは関係なく水分を吸収させられるような状況に陥ると、 ゆっくりは涙やしーしーすることにより水分を放出しようとする。 それでも間に合わない場合、体がどんどん重くなり最終的に動けなくなり雨に打たれて、 皮が破け、体外に餡子が流出して死ぬ。 水槽の中のまりさもそろそろ餡子が漏れ出したようである。 (まりしゃのあんきょしゃんでちぇいかにゃいでね!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!) まりさの願いもむなしく餡子はどんどんと流れ出てまりさのゆん生は終わりの時を迎えた。 (もっちょ・・・ゆきゅり・・・しちゃかっちゃ・・・) 最後のセリフも水の中では言うことができずに、まりさのゆん生は幕を閉じた。 エアインチョコのような体の構造、空気よりも軽く水溶性の高い気体、 この二つの特性のせいでゆっくりはゆっくりとしか動くことができない。 そして自然災害というか雨でも死にやすい。 そうでなくてもゆっくりは体に痛みを感じると餡子を吐き出して死んでしまう。 次は何故ゆっくりが餡子を吐き出すかを子ありすを使って説明しよう。 ありすの中身はカスタードだが、吐き出す理由は同じなので問題はない。 「ゆっきゅりしちぇいちぇね!」 ありすは特に警戒することもなく、男にゆっくりしていってねと挨拶をする。 男はありすの挨拶に対してでこピンで答える。 ビシッ 「ゆぴぃっ!」 ありすは悲鳴をあげて転がっていく、自分が何故こんな目にあったか解からないありすは 一瞬きょとんとした表情になる。そして次に何かがはじけたように泣きだす。 「ゆぴゃ〜あぁあぁ〜いちゃいよ〜!みゃみゃ〜っ!」 泣き喚く子ありすに対して男はものさしで殴り続ける。 「ゆびぃっ!・・・いちゃい・・・みゃみゃ〜!」 うざい泣き声でみゃみゃとか言うから殴り続ける男は手加減するのが大変である。 男は手を休めることなく殺さない程度にありすをビシビシと殴り続ける。 「ゆびっ・・・もうやめちぇ・・・ありしゅ・・・ちにちゃくにゃい・・・」 男が殴り続けて5分ほどするとありすの口からカスタードがもれ始める。 体の中が破れたり、口の中を切ったとかではない。 そうならないように手加減して殴り続けた。 しかし、ありすはカスタードを吐かないように必死で口を塞いでいる。 なぜか? ゆっくりは強い痛みやストレスを与え続けると、体内の気体が増量して、 餡子やカスタードを圧迫し始めるのである。 このありすは今まさにその状態である。 「ゆぴぃ・・・もうだみぇ・・・ゆぷびっ!」 ありすはガマンをしていたがついにカスタードを吐き出してしまう。 そこに強烈な一撃をさらに与える。 さらにカスタードを吐き出す。 「ありしゅ・・・しゅっきりしちゃかっちゃのに・・・もっちょゆっきゅり・・・しちゃかっちゃ・・・」 そう言ってありすは一度もすっきりすることもなくゆん生を終わらせた。 ゆっくりの中に詰まっている気体はゆっくり同様に謎が多い、 これを解明することによりなんたらかんたら・・・ おわり よくある設定談議の話でゆっくりの重さについて考えてみた。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2613.html
多数の設定お借りさせていただいています セリフすっきり 出産要素 家族 ・赤ちゃん ***************************************************************** 赤ちゃんのゆっくり返し ***************************************************************** れいむは今までのゆん生を振りかえっていた。 やさしいおかあさんとたくましいおとうさん、 たくさんのおねえちゃんたくさんのいもうとに囲まれてゆっくりした日々。 おさんぽ途中に出会いひとめぼれしたまりさ。 思い切って告白したらまりさも好きと言ってくれた感動。 大好きなまりさと一緒にいれる毎日。 なら次にすることは…。 「ねぇ、まりさ」 「なに?れいむ」 「れいむたちゆっくりしてるけどさ」 「うん」 「あかちゃんがいればもっとゆっくりできない?」 「そうだね!あかちゃんがいればとってもゆっくりできるね!」 「じゃあ…しよ?きて…まりさ…」 「うんいまいくよ…」 「「んほおおおおぉぉぉぉぉ!!すっきりいいいぃぃぃぃぃ!!!」」 真夜中の山に響くゆっくりのクライマックスな叫び声。 行為が終わった後自分のお腹がふっくらと膨らんでいくのが目に見えた。 「ゆゆ?れいむにんっしんっしたよ!」 「やったねれいむ!かぞくがふえるよ!」 赤ちゃんが生まれたらどんなことをしようか。 一緒にいっぱいゆっくりできるご飯をむしゃむしゃしよう、 一緒にいっぱいおひさまに当たってぽかぽかしよう、 一緒にいっぱいおうたをうたおう、 一緒にいっぱいすりすりしよう、 一緒に…。 れいむが未来に見えるすばらしいゆっくりエブリディを想像している横で、 まりさはすっきり疲れか早々に寝込んでいた。 にんしんっしたその日かられいむは無性にお腹が減るのを感じた。 きっと赤ちゃんに栄養を欲しがっているんだ。 まりさにゆっくりできるご飯をたくさん取ってきてもらおう。 「あかちゃんのためにおいしいごはんをたくさんとってきてね!!」 「まりさがんばるね!」 まりさが外で頑張っている間は何をしようか。 そうだ、赤ちゃんがゆっくりできるようにおうたを歌ってあげよう。 「ゆっくりそだってね!あかちゃん!」 「ゆ~♪ゆゆゆ~♪ゆゆゆゆゆ~♪」 おうたを歌い疲れて眠ってしまっていたところにまりさが帰ってきた。 帽子にたくさんのご飯が詰まっている。むしゃむしゃして赤ちゃんをゆっくり育てよう。 「ただいまれいむ!あかちゃんのためにたくさんむしゃむしゃしてね!」 「これであかちゃんがゆっくりできるよ!」 「じゃあいただきますを「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」 「もうぽんぽんいっぱいだよ!あかちゃんゆっくりそだってね!」 たくさんご飯を食べたらもうお空が真っ暗。 早く寝ないと赤ちゃんゆっくりできないよね。 「おやすみ!まりさ!あしたもゆっくりしていってね!」 赤ちゃんのため食っては歌い食っては眠りの生活が始まってからしばらくしたら、 お腹がにんっしんっする前の自分が入ってしまいそうなくらい膨らんだ。 たまに自分の意思に反してお腹がピクピクと動くことも増えてきた。 もうすぐ赤ちゃんに会える、とってもゆっくりした赤ちゃんに…。 そのためにはたくさんゆっくりしてあげないと! 「まりさ!きょうもよろしくね!」 「…うん!まりさがんばるよ!!」 ***** ところ変わってれいむのお腹の中。 すでに形の整った5匹の赤ちゃんが相談していた。 「おきゃーしゃんとっちぇもゆっくちしてるね!」 「ゆっくり♪ゆっくり♪」 「そのゆっくちにまりしゃはどうやっておかえちしようか」 「ゆゆーん♪そんにゃのかわいいれいみゅをみればいちころだよ!」 「まりしゃそれだけじゃたりないようなきがするよ!」 「「「「ゆゆ??」」」」 一番の親孝行はゆっくりしている自分を見せることだ。 それだけではいけないのか?他の赤ちゃんが驚いた。 「きょれだけおきゃーしゃんがゆっくちちてくれてるんだもん! まりしゃたちをみるだけじゃおかえちにならにゃいかも」 「「「「ゆー……」」」」 とってもゆっくりしているお母さん。 そんなお母さんをゆっくりさせるには自分を見せる以外のワンポイントゆっくりが必要。 そう感じて赤ゆっくりたちは考え込んだ。 「れいみゅゆっくちおもいついちゃよ!」 「どんにゃことしゅるの?」 「れいみゅきゃわいいことびゃをつかっちぇゆっくちしゃせてあげりゅよ!」 「どんにゃの?ゆっくちおしえちぇね!」 「こうやりゅんだりょ!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!!」 「ゆゆーん♪しゅっごくゆっくちちてるね!」 赤れいむは舌っ足らずなしゃべりを磨きにかけることで、 母性本能ならぬゆっくり本能を刺激しようと考えた。 「まりしゃはわいるどにいくよ!」 「ゆっくちきににゃる!」 「『ゆっくちちていってね!』いがいのあいさつをしゅるよ!」 「かっきょいいね!」 赤まりさは『ゆっくちちていってね!』と言わずに、 自分オリジナルの挨拶を実行することで、 今までの赤ちゃんとは何かが違う感を出すことにした。 「れいみゅはへんかきゅうだよ!」 「へんきゃきゅう?」 「うちろからうまれりゅよ!」 「おきゃーしゃんもびっくちだね!」 普通ゆっくりの胎生型出産の場合、赤ちゃんは顔から出てくる。 赤れいむはその法則を覆すことによって、 お母さんに新鮮な驚きを与えようと考えた。 「まりしゃはかきぇにでるよ!」 「どんなかきぇかおちえてね!」 「おきゃざりをもっちぇいかないよ!!」 「ゆゆ!それはゆっくちできないよ!」 「ふっふっふ…まりしゃはちゃんとかんがえちぇるよ!」 飾りのないゆっくりは他のゆっくりにゆっくりできないゆっくりと言われる。 赤まりさはあえて飾りを捨てることにより、 この子はお母さんがゆっくりさせてあげなきゃだめだ、 と使命感を煽るように演出しようとした。 「れいみゅはなにかおもいついた?」 「れいみゅは…ひみちゅだよ!」 「もったいぶりゃないでゆっくちおちえてね!!」 「あとのおたのちみだよ!」 ***** 「むーしゃ!むーしゃ!しあわうっ!!」 まりさの持ってきたご飯を食べた直後、 お腹に今までに感じたことのない強い痛みが走った。 「いだ゛い゛い゛い゛!!れいむのぼんぼんさけちゃう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!」 「れいむ!あかちゃんがうまれるよ!がんばって!!」 れいむの顎のあたりにぽっかり穴が空き、そこから赤ちゃんが見える。 しかしその穴は狭い、そこへその穴の2倍以上の大きさの赤ちゃんが通ろうとしている。 皮が引っ張られ今にもちぎれそう、痛みがゆっくりとゆっくりとれいむを蝕んでいく。 「うぐぐぐぐぐぐ!!」 「れいむ!あかちゃんだよ!あかちゃんのかおがみえたよ!!」 痛みで意識を失いそうな中、赤ちゃんという単語だけがれいむの精神をつないでいた。 早く赤ちゃんに会いたい!この思いがれいむの体を無意識に動かしていた。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!」 「れいむ!もうすぐだよ!あかちゃんでてくるよ!」 ポンッ! その音と共にれいむを蝕んでいた痛みが急速に引いていった。 ようやく辺りを見回す余裕を得られたれいむが見たものは…。 つぶらなおめめ、かわいいお口、しっとりと黒い髪に、 蝶のような大きなリボンを結んでいる。 まるで自分を見ているように思えるほどれいむに似た赤ちゃんだ。 赤ちゃんを産んだらまず何をするか、挨拶だ。 「ゆっくりしていってね!」とお互いに言いあうことではじめて、 お互いにゆっくりできる存在と認識することができる。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!!」 どうもおかしい。 うまくしゃべれない赤ちゃんでも「ゆっくちちていってね」くらいは言えるはずだ。 なのにこの赤ちゃんはそれすら言えてない。 これは聞き違いなんだ、もう一度やり直して…。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっっちぇにぇ!! ゆゆ?おきゃあしゃんっはちょおうっちぇもぅゆっきゅちちちぇりゅにぇえ!! きゃひゃいひれいみゅをみちぇみょうぅちょゆっきゅちちちぇいっっち」 「うまくしゃべれないあかちゃんはゆっくりしんでね!」 「ゆべっ!」 なかなな挨拶ができない赤れいむにしびれを切らしたまりさは、 赤ゆっくりにあんよの一撃をくらわせる。 「みゃぢゃ…ゆっきゅち…ちちぇにゃいにょに…」 「ゆっくりしね!」 ギリギリ息があった赤れいむにとどめの一撃が炸裂。 あまりにも展開が早すぎてれいむの餡子は付いていけない。 そして、まりさの下につぶれている赤れいむを見つけた。 なんで?なんで?なんで?なんで? (「むーしゃ!むーしゃ!しあわせー!」) 「ど…」 (「すーりすーり!おかあさんのほっぺとってもぽかぽかさんだよ!」) 「どぼじで…」 (「おかーさんのことだーいすきだよ!」) 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「ちゃんとしゃべれないあかちゃんはゆっくりできないからだよ!」 ちゃんとしゃべれなくってこれから練習していけばいいじゃない。 ゆっくり見守っていけばいいじゃない。 それなのに…それなのに…それなのに…。 「れいむ!またあかちゃんがうまれてくるよ!!」 「ゆゆ!?ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!」 初回に穴がある程度広がったおかげか、 二回目の出産はそれほど痛みを感じなかったが、やはり慣れるものではない。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!!」 ポンッ! 次に産まれてきたのは、 りりしい瞳、輝く金髪の上に形の良い山高帽をちょこんと乗っけた、 愛するまりさそっくりの赤ちゃん。 まりさに似てるんだ、だから挨拶もきちんとできるはず。 「ゆっくりしていってね!!」 「おーっちゅ!」 え…? なんで挨拶出来ないのだろう。 もしかしてれいむのことを弄んでいるのだろうか。 「ゆっくりしていってね!!」 「おーっちゅっちゅ!!」 「あいさつをきちんとできないあかちゃんはゆっくりしんでね!」 「おーっちぶじ!」 キチンと挨拶が出来ないとまりさに判断された赤まりさは早々に潰されてしまった。 愛するまりさに似た赤ちゃんがあっという間に餡子の塊へと姿を変える。 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「あいさつできないあかちゃんはゆっくりできないからだよ!」 挨拶なんて所詮形式的な儀式のようなもの。 それができないがためにいきなり殺されるなんてあまりにも不条理だ。 ゆっくり挨拶を教えることもできたのに…できたのに…できたのに…。 「れいむ!またまたあかちゃんがうまれてくるよ!!」 「ゆゆ??」ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛!!! 二回目の出産があれほど楽だったのだから、三回目はもっと楽だろう。 そうたかをくくっていたのだが。 「ゆーゆっゆー!ゆーゆっゆー!!ゆーゆっゆー!!!」 「どぼじでうばれでぐれないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 いくら力んでも赤ちゃんが出てくる気配がない。 まるで赤ちゃんが自発的に出る気がないように。 「れいむ!このあかちゃんおかおがないよ!」 「ぞんなわげないでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛?! いだい゛い゛い゛ぼんぼんいだい゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛」 「ゆ゛ーゆ゛っゆ゛ー!ゆ゛ーゆ゛っゆ゛ー!!」 実に最初の出産の数倍の時間をかけてようやくポンッ!と赤ちゃんが産まれてきた。 その時出産の衝撃で一時的に空を飛ぶ赤ちゃんと一瞬目があったような気が…気のせいだ。。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくちちていってね!!」 ちゃんと挨拶をしてくれた! 今まで挨拶が出来ないからってまりさが赤ちゃんをゆっくりさせちゃったけど、 ちゃんと挨拶できたからもうまりさは怒らないはず。 赤ちゃん、これからもずーっとゆっくりしていってね。 「ところであかちゃん」 「あかちゃんじゃないよ!れいみゅはれいみゅだよ!」 「どうしてうしろからうまれたの?れいむすごくくるしそうだったよ」 「あれはれいみゅがきゃわいくうまれてくるためにしちゃんだよ! とっちぇもゆっくちできちゃでしょ!」 「れいむをくるしめるあかちゃんはゆっくりしね!」 「きゃわいくってごべっ!」 まりさのあんよに潰されて物言わぬ饅頭となる赤れいむ。 何で?今度はちゃんと挨拶してくれたのに何が気に入らなかった? 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「おやをくるしめてはんせいしないあかちゃんはしょうらいゲスかくていだからだよ!」 ゲスになるかなんてこれからの教育次第でゆっくり決まるものじゃないか。 それなのに一回間違ったことをしただけでゲス確定なんて。 その理論ならなら自分はとんでもなくゲスな奴だ。 きっとまりさは焦っているんだ。なだめなきゃ、なだめなきゃ。 「まりざあ゛あ゛あ゛もっどゆっぐりじでよお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛」 「そんなことよりまたまたまたあかちゃんがうまれてくるよ!」 「ゆゆ?ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛」 四回目の出産で、さらに先ほど無駄に力んだためか穴はもうガバガバ。 すんなりと産まれてきてくれた。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくちちていってね!!」 良かった。この子もきちんと挨拶できる。 ちゃんと苦しめずに産まれてくれたから、 きっとまりさも赤ちゃんのことを褒めてくれるはず。 このまりさに似たりりしい瞳に輝く金髪にその上にちょこんと乗った山高帽が………ない!? 「かざりがないあかちゃんはゆっくりしね!!」 「ゆべっ!」 「どぼじでぞんなごどずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「かざりがないゆっくりはゆっくりできないでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??! ゆっくりかいのじょうしきでしょお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!?」 確かに飾りのないゆっくりはゆっくりできない。誰が誰かわからないからだ。 でもこの赤ちゃんは飾りがなくても確かに自分たちの赤ちゃんということがわかる。 それならば飾りなんて本来の意味での飾りだ。 「さっきからゆっくりできないあかちゃんばかりうんでるね!ばかなの?しぬの?」 「でもまだあとひとりあかちゃんがのこってるよ!」 「ほんとう?だったらゆっくりみせてね!!」 お腹の中にはあと赤ちゃんが一人残っている感覚がある。 最後までゆっくりした赤ちゃんだもの、見ればきっとまりさもゆっくりしてくれる。 そしたら三人で末永くゆっくりしよう。 「あかちゃん!ゆっくりうまれてきてね!!」 ***** 一方れいむのお腹の中では赤れいむがゆっくりしていた。 「あなさんがひらいちゃけどれいみゅはうまれにゃいよ!」 「みんにゃはうまれちゃったけれでも、れいみゅもうまれちゃったら おきゃーしゃんのぽんぽんがさみちくなるからうまれないよ!」 「おきゃーしゃんのなかにずっといる。れいみゅのことがみりぇなくても、 れいみゅがぽんぽんにいるだきぇでおかーしゃんはゆっくちできるんだよ!」 「れいみゅおきゃーしゃんにあえないからさみちいけれども、 おきゃーしゃんをゆっくちできるならがまんしゅるよ!」 「おきゃーしゃんゆっくちしていってね!」 ***** 「あかちゃんはまだ?ゆっくりしすぎだよ?」 「どぼじであがぢゃんうばれでぐれないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??」 なぜこんな時に赤ちゃんが産まれてくれないのか、れいむは考えた。 もう赤ちゃんはすでに死んでいる。これはない、確かに赤ちゃんの感覚があった。 赤ちゃんは弱すぎて出ることができない。これもない。手助けすれば絶対出れる。 こうなれば自発的に産まれるのを拒否しているようにしか思えない。 つまり、 「まりさ!あかちゃんはれいむのなかでゆっくりしたりないんだよ! だからあかちゃんのためにたくさんごはんをとってきてね!! 「だまれ…」 「あかちゃんはえいようがたりないとしんじゃうだよお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??! そんなこともわからないなんてばかなの?しぬの?」 「だまれえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!」 まりさは何てわがままを言っているんだ。 赤ちゃんはれいむたちをもっとゆっくりさせてくれる存在で、 そのゆっくりのために働くのは至極当然のことであって… 「おばえは!あかちゃんがでぎでがら!ずーっとばりざをえざをどってぐるどうぐみたいにじで! だまにのぞいだらおうだをうだっだりひるねじだりとおばえばっかりゆっぐりじでるじゃないか!!」 「でもれいむがゆっくりしないとあかちゃんは」 「ぞれはおおめにみるどじで!づがれでがえっでぎだばりざに! おばえはいだわりのごどばをがげだごどがあるか?!」 「あがぢゃんがでぎでがらおばえはいづもいづも「これであかちゃんがゆっくりできるよ」 とあがぢゃんのごどばがり!ばりざのごどなんでなーんもみでぐれない!」 「でもあかちゃんはだいじだよ?」 「ほらまだあがぢゃんのごど!!ばりざはおばえのどれいじゃない゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛!! じがもぜっがくのあがぢゃんはびんなゆっぐりできないやづら!! ごんなごどになるんだっだらおばえなんがどずっぎりじなげればよがっだ!!!」 「ど、どぼじでぞんなごどいう゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛??!」 「どうもごうもあるが!!おばえのがおなんでにどどびだぐない゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」 そう言うとまりさは外に出て行ってしまった。 赤ちゃんのことを大切に思えないなんて恐ろしいほどのゲスだ。 でも今はそんなことより今は赤ちゃんの方が大事だ、早く赤ちゃんのためにむしゃむしゃしないと。 確か貯蔵庫に…。 「どぼじでごはんざんがないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!??」 きっとまりさがこっそり全部食べてしまったんだ。なんてゲス。 仕方ない、ならば自分で動いてご飯を取りに行くしか…。 ん?体が重くて動かない…。 「どぼじでれいぶあるげないのお゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!?? これじゃあごはんとりにいげない゛い゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 ご飯をどうしようと考えていたら急に力が抜けてきた。 大きくなった赤ちゃんが今まで以上にれいむの栄養を吸収し始めたのだ。 「あがぢゃんんんんん!ずわないでえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!! おかあざんじんじゃう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!」 あ…目がかすんできた…。 れいむはもうだめなんだ。 赤ちゃん、一緒にすりすりしたかったなー。 「もっどゆっぐりじだがっだ…」 こうしてれいむは赤ちゃんの望み通り、 とーーーーーってもゆっくりすることができたとさ。 終 ***************************************************************** 自分のゆっくりできることを他人にしなさい。 聖ゆっくりの教えを産まれる前から実践できるってすごい。 今まで書いた作品 初めての制裁 僕のうさばらし ゆっくりは死んだ 見せあいっこ ゆっくりの伝道師 妄想お兄さん このSSに感想をつける